2004 Fiscal Year Annual Research Report
電子蓄積リング型高輝度X線発生装置の利用とさらなるダウンサイジング
Project/Area Number |
13852007
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山田 廣成 立命館大学, 理工学部, 教授 (10268162)
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Keywords | 世界最小シンクロトロン / 新型高輝度高源MIRROCLE / コヒーレンス / エネルギー干渉イメージング / 放射光 / 高精度被破壊検査 / 医療用イメージング / 光蓄積リング型レーザー |
Research Abstract |
2003年12月にMIRRORCLE6Xが完成してビーム入射に成功後、今年度はビーム特性の計測と幾つかの利用研究を展開してきたが、従来の放射光では得られない成果を出すことができた。例えば、人間胸部ファントムに埋め込んだ1mm大の癌の形状を10倍拡大法により鮮明に映し出すことに成功した。MIRRORCLE-6Xは、光源点の大きさが1ミクロンφと大型放射光より断面積にして2桁小さい事と、X線エネルギーが10keVから6MeVまでをカバーする点において、世界最高品質と言って良いX線を発生できた。X線強度の計測を幾つかの方法で行ったが、25keVX線において最大10^<16>光子Brilliance(/[s,mrad^2,mm^2,0.1%band])、10^<10>光子Brightness(/[s,mrad^2,0.1%band])、10^<14>光子Flux(/[s,3.14x85^2mrad^2,0.1%band])を確認した。Brillianceは大型放射光並であるが、Brightnessは数桁低く、Fluxは数桁高いという値である。このためタンパク質構造解析等は2分(大型放射光では約2秒)で1点を計測する能力を持ち、蛍光X線分析などは、大きな試料については数分で計測できる能力を持つことが明らかになった。10^<14> total fluxは、MIRRORCLEがイメージング等で大型放射光より優れていることを示している。 数mmの肺癌の形状を詳細に見ることができた結果は、レントゲン写真100年の中で、突出した結果と考えている。形状から癌の種類や病態を非浸襲で見分けられる可能性が出ている。また、微細な癌をモニターしながらスポットで放射線治療することにより、安全性の高い癌治療が期待される。 MIRRORCLE-6Xをベースとした医療機器の開発を、複数の医療機器メーカーと共同して医師や放射線技師のアドバイスのもとで製品化して、医療診断治療テストを行うことを計画し医療コンソーシアムを設立した。モニターしながら放射線治療できる医療装置は、今後の医療診断・治療に革新をもたらすと予測される。
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Research Products
(16 results)