2001 Fiscal Year Annual Research Report
超薄高誘電率ゲート絶縁膜におけるシリコンとの界面制御の研究
Project/Area Number |
13852009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50323530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手
弓野 健太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (40251467)
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Keywords | 高誘電率絶縁膜 / 界面制御 / スパックリング / HfO2 / オープンサーキットポテンシャル / オフアクシススパッタリング / ゲート絶縁膜 / MISキャパシタ |
Research Abstract |
高誘電率絶縁膜とシリコンとの界面をいかに制御していくかという観点で研究をスタートした。初年度である本年は研究基盤を構築すべく以下のように仕事を進めた。 1)シリコン上に比較的厚い熱酸化膜(SiO2)を形成し(約15nm)、その上に高誘電率膜(今回はHfO2)をスパッタ法で形成した。これによって、成膜後の熱処理によって界面に熱酸化膜が形成されることを防ぎ、高誘電率膜に対する熱処理効果を明確にすることを試みた。 2)高誘電率膜のエッチング過程の表面ポテンシャル変化を観測するという電気化学的手法によって、表面状態の変化を逐次電気的に観測していく手法の開発を試みた。 3)新規酸化物薄膜形成装置を導入し成膜を開始した。膜の成長レート、面内均一性、などのデータを取得し、次年度の本格的研究体制の構築をすすめた。 1)から、HfO2を堆積するだけで、SiO2中のシリコンがHfO2中に拡散していくことが明瞭にわかった。このことは、界面における相互拡散が極めて強くはたらいていることを示している。 2)の結果から、エッチングしながらの表面電位計測はジャスト表面を観測・定量化していく上で有用であることがわかった。また、測定しているポテンシャル(オープンサーキットポテンシャルOCP)の変化の鋭さはエッチング液などに依存することもわかってきたが、膜質の変化を十分追跡できるものであることがわかった。これはほとんどやられていない研究であり、今後、多くの材料に適用していける可能性がでてきた。 3)の導入装置はスパッタ装置であるが、ダメージを最小限に抑えるためにサイドから成膜する(オフアクシススパッタ)ものである。まだ膜質までは測定できていないが、オフアクシス型にもかかわらず膜厚の均一性は5%以内におさまっていることがわかった。 以上のように、次年度以降に本格的な研究は持ち込まれるが、十分な下準備と可能性を得ることができた。
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