2005 Fiscal Year Annual Research Report
超薄高誘電率ゲート絶縁膜におけるシリコンとの界面制御の研究
Project/Area Number |
13852009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50323530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弓野 健太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (40251467)
喜多 浩之 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (00343145)
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Keywords | 高誘電率絶縁膜 / HfO_2 / La_2O_3 / Y_2O_3 / シリコン / ゲルマニウム / 分極率 / アモルファス |
Research Abstract |
今年度の主な成果は以下の通りである。SiO_2換算膜厚で1nmを切る絶縁膜の実現に向けた達成のための科学的道筋と処方箋を明らかにすることができた。 (1)他元素のドープによるHfO_2の高誘電率化 前年度に,HfO_2へのある種の元素のドーピングが構造相転移に起因した比誘電率の上昇をもたらすことを示したが,さらにSiのドーピングによっても比誘電率が大幅に増大することを見いだした。HfO_2は常にSi上に形成されること,またHfO_2はしばしば意図的にシリケート化されて用いられることからも注目すべき結果である。一方,Tiをドーピングした場合には構造相転移ではなく,分極率の増大を主要因とした誘電率上昇がみられた。これらの実験事実に基づき,高誘電率化のための材料設計指針を確立した。 (2)HfO_2-La_2O_3系アモルファス高誘電率膜 高誘電率絶縁膜には,結晶化温度が高く,デバイス製造工程の温度域においてアモルファス状態を維持することが望まれる場合もある。HfO_2にLa_2O_3を加えると,Hf^<4+>とLa^<3+>のイオン半径が大きく異なるために結晶化が阻害され,950℃でもアモルファスを維持しつつ,高誘電率を示す膜を世界で初めて得ることができた。しかも,この膜は固定電荷が極めて少なく,Si上で良好な界面特性を示した。 (3)La_2O_3の基礎物性評価 次世代絶縁膜材料の候補として期待されるLa_2O_3の欠点は吸湿性である。大気中での吸湿による影響を調べたところ,数時間で多量の水酸化物を生成し,誘電率が半分以下の値へと劣化すること,また同時に表面ラフネスが顕著に増大することが定量的に明らかになった。 (4)ゲルマニム/High-k界面制御 前年度に,Y_2O_3/Ge界面が界面層を持たずに良好な電気特性を示すことを見出したが,さらに今年度は,界面付近でY_2O_3膜中にGeが多量に拡散すること,また逆にGe中へYは殆ど拡散しないこと、Geの基板面方位に関して差があること、などが初めて明らかとなった。これは,良好なGe/High-k界面を得るための本質的指針を与えるものである。
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Research Products
(7 results)