2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型反応に重点を置いた生物活性天然物の大量合成手法の開発と創薬研究
Project/Area Number |
13853010
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北 泰行 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00028862)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 弘道 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (10173410)
赤井 周司 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (60192457)
|
Keywords | 環境調和型反応 / リサイクル型点反応剤 / 超原子価ヨウ素反応剤 / ディスコルハブディンアルカロイド / 動的速度論的光学分割 / スキホスタチン / ドミノ型反応 / タニコライド |
Research Abstract |
環境調和型反応に重点を置きながら、生物活性天然物を大量供給するための基盤反応の開発研究を行った。 1.重金属に代わる毒性の少ない酸化剤として、超原子価ヨウ素反応剤を用いる効率の良い新反応を開発し、これらの反応を応用して前年度に達成した抗腫瘍性海洋アルカロイド(+)-ディスコハブディンAの合成の最適化を計ると共に他の天然のディスコハブディン類、ディスコハブディンE,F,OとプジアノシンBの合成に成功した。さらに種々の類縁体の合成を行い、生物活性を検討した。これらの中から、不安定なディスコハブディンAと同等の抗がん活性を示す安定な化合物を見出した。 2.反応活性が高く、かつ反応終了後純粋に回収できる環境調和型超原子価ヨウ素反応剤を用いて種々の反応を行い、その優れた反応特性を明らかにした。 3.環境に優しい生体触媒であるリパーゼ酵素とバナジウム試薬の利用により、ラセミのアリルアルコールから動的速度論的光学分割により、高光学純度のアリルアセタートを高収率(89-96%)で得る新規な手法を確立した。 4.大量に入手容易な光学活性ヒドロベンゾインを利用する分子内ハロエーテル化反応を利用し、新規な作用機序を示す、神経変性、自己免疫疾患等の治療薬開発のリード化合物として期待されているスキホスタチンの短工程合成に成功した。 5.従来法では達成できない、ケタールの存在下にアルデビド由来のアセタールを脱保護できる新規脱保護法をみいだし、全合成における保護基の選択幅を大きく拡大した。 6.エポキシアルコールから3工程の反応が一気に進行するドミノ反応の開発に成功し、生物活性ラクトン体であるタニコライドの短工程不斉全合成に成功した。
|
Research Products
(21 results)