2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13854007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 真杉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90145673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正寿 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70302594)
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Keywords | 視床下部 / エストロジェン / 転写制御 / 性分化 / グラニュリン / 性腺刺激ホルモン放出ホルモン / 黄体形成ホルモン / 性周期 |
Research Abstract |
性ステロイドは核内受容体と結合し、特定の遺伝子群の転写を活性化することによりその生理作用を発揮する。脳においては、発生過程の特定の時期(臨界期)に、雄ではアンドロジェンがエストロジェンへと代謝されて受容体と結合し、特定の遺伝子群が転写されることにより、その雄型への分化が起こる。一方、臨界期にエストロジェンの作用を免れて雌型へと分化した脳では、成熟後、エストロジェンによりやはり特定の遺伝子群の転写が起こり、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の一過的大量分泌(サージ)が誘起され、雌に特有の性周期が回帰する。さらに最近、エストロジェンが成熟期から老齢期における脳の退行性変化を抑制するなど、脳に対する保護作用をもつことが明らかとなってきた。本研究は、これら一連の性ステロイドの中枢作用の分子機構の解明を目指すものである。本年度には、cDNAマイクロアレイ(2352遺伝子)およびGeneChip(8000遺伝子)により検出された遺伝子についてreal-time RT-PCRにより2次スクリーニングを行った結果、新生期の視床下部において発現量に性差がある遺伝子として、vitamin K-dependent γ-glutamyl carboxylase (GGC)、glypican-3 (GPC3)、BDNF/NT-3、growth factor receptor precursor (trkB)、putative Gprotein coupled receptor (CNL3)、p130、putative vomeronasal organ receptor (VN6)、glutamic acid decarboxylase (GAD)65遺伝子が同定された。現在、これらの遺伝子の発現制御機構についてさらに検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yonehara K., 他: "Androgen induces p130 mRNA experession in the neonatal rat hyphothalamus"Neuroscience Letters. 334. 107-110 (2002)
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[Publications] Suzuki M., 他: "Granulin precursor gene ; a sex-steroid inducible gene involved in sexual differentiation of the rat brain"Molecular Genetics and Metabolism. 75. 31-37 (2002)
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[Publications] Suzuki M., 他: "Estrogen affects gene expression of estrogen receptors, androgen receptor, and aromatase in the neonatal rat hypothalamus"Journal of Reproduction and Development. 48. 17-23 (2002)
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[Publications] Yonehara K., 他: "Sex-related differences in gene expression in neonatal rat hypothalamus assessed by cDNA microarray analysis"Endocrine Journal. 49. 131-137 (2002)