2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13854010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷口 直之 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90002188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本家 孝一 高知大学, 医学部, 教授 (80190263)
三善 英知 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20322183)
高橋 素子 佐賀大学, 医学部, 助教授 (00303941)
鄭 文玉 佐賀大学, 医学部, 教授 (60252657)
顧 建国 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40260369)
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Keywords | 糖鎖生物学 / プロテアーゼ / 発生・分化 / 糖転移酵素 / グライコミクス / がん転移 / 再生医療 / 接着分子 |
Research Abstract |
生体内のタンパク質はその50%以上に糖鎖がついており、これらタンパク質の機能高度化に糖鎖が重要な役割を担っていることが明白となってきている。本研究は、このような糖鎖機能を解明するために、糖鎖遺伝子改変マウスおよび細胞を用いて、糖鎖標的分子を臓器レベル、細胞レベルで同定し、その分子の機能発現に糖鎖がどのように関わるかを明らかにすることを目的としている。糖鎖遺伝子改変マウスのモデルとしてα1,6-フコース転移酵素の全身型ノックアウトマウスの作製を行い、個体レベルでの表現型解析を行った。その結果、この変異マウスは生後3日以内に70%が死亡し、生き残ったものも野生型と比べて小さく、生後3週間で殆どが死亡することから、アスパラギン結合型糖鎖のα1.6-フコース構造は個体機能にとって必須の構造であることが明らかとなった。病理組織学検査では肺気腫がみられ、その分子メカニズムを細胞レベルで解析した。またα1,6-フコース転移酵素を昆虫細胞で大量発現させ、結晶化することに成功した。フコース転移酵素の立体構造としては初めてで成果が期待される。さらに、β1-6位にGlcNAcを転移する酵素GnT-IXを新たにクローニングし、脳に局在する0マンノースの修飾にも機能していることを見い出した。昨年度発見した癌の転移に最も関係が深い糖転移酵素GnT-Vの標的分子マトリプターゼの糖鎖の重要性を、タンパク分解の観点から精製したタンパクレベルで証明した。精製したタンパクでの糖鎖解析では、インテグリンに関しても研究を行い、実績を得ている。さらに糖鎖関連分子の腫瘍マーカーとしての有用性と再生医療への応用を検討中である。
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Research Products
(17 results)