2001 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチの細胞周期制御療法の開発と実用化の検討
Project/Area Number |
13854014
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30157622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上阪 等 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00251554)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 遺伝子治療 / 細胞周期 |
Research Abstract |
本研究における慢性関節リウマチ新規治療法のひとつが遺伝子治療である。ところが我々を含め多くのグループが、アデノウイルスベクターを関節腔内へ投与する際の問題点として大量のウイルス粒子自体が関節炎を惹起することを報告している。そこで我々はこの副作用を軽減する方法として、低ウイルス量で効果的に標的細胞へ遺伝子導入可能なアデノウイルスベクターの作成を試みた。すなわち、滑膜線維芽細胞(FLS)がアデノウイルスに対する特異的レセプターを持たないことに着目し、アデノウイルスのウイルスファイバーに改変を加え、感染効率が増加するかにつき検討した。現在広く使われている古典的アデノウイルスベクターは5型をもとにしたものであるが、このファイバーの中のHIループに細胞表面上のインテグリンと結合するArg-Gly-Asp(RGD)ペプチドをコードする遺伝子を組み込んだ変異体を作成し、またファイバーをアデノウイルス35型のファイバーへと改変した変異体も作成した。これらのアデノウイルスベクターに、green fluorescent protein (GFP)遺伝子を導入し、FLSへ感染させ、GFP発光をレポーターとしてその発現をフローサイトメーターで測定した。その結果、各ウイルスを1細胞あたり同じウイルス粒子数で感染させた場合において、2つのファイバー変異体ともGFP陽性細胞の比率が古典的アデノウイルスベクターに比べ顕著に増加していた。さらに、転写制御配列を至適化させて遺伝子導入細胞での導入遺伝子発現を向上させることも可能であった。したがって、ウイルスファイバーの改変、転写配列の適正化によりFLSへの感染効率を劇的に向上させうることが明らかとなり、より少量で標的細胞に効果的に遺伝子導入可能な関節炎の副作用を軽減しうるベクターの開発が可能であると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nonomura Y, Kohsaka H, Nasu K, Miyasaka N, et al.: "Suppression of arthritis by forced expression of cyclin-dependent kinase Inhibitor p21cip1 gene into the joints"Int Immunol. 13(6). 723-731 (2001)
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[Publications] Kohsaka H, Nasu K, Nonomura Y, Miyasaka N.: "Treatment of Arthritis with Cyclin-dependent Kinase Inhibitor Gene"Jpn.J. Clin Immunol. 23(6). 550-552 (2001)