2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13854017
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
天谷 雅行 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90212563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石河 晃 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (10202988)
田中 勝 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40188339)
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
岩崎 利郎 東京農工大学, 獣医学部, 教授 (50262754)
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
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Keywords | 自己免疫 / 皮膚感染症 / 天疱瘡 / カドヘリン / デスモグレイン / 黄色ブドウ球菌 / 自己抗体 / モデルマウス |
Research Abstract |
本研究の目的は、皮膚を標的とする自己免疫性疾患である天疱瘡をモデル疾患として、自己免疫発症の機序を解明することである。本研究では、天疱瘡モデルマウスを用いたアプローチと皮膚感染症と自己免疫発症の関連を解析するアプローチのふたつの柱がある。天疱瘡モデルマウスを用いたアプローチでは、天疱瘡モデルマウスから複数の抗Dsg3モノクローナル抗体の単離に成功し、その中で水疱誘導活性を有する抗体が2種存在した(AK19、AK23)。特にAK23は、ハイブリドーマ細胞を腹腔内投与することによりレシピエントマウスに天疱瘡モデルマウスに認められる表現型と同一の表現型を誘導した。AK23のDsg3分子上のエピトープを詳細に解析し、他の明かな病原性を有さないモノクローナル抗体のエピトープと比較検討するとともに、AK23の可変領域と特異的に結合するペプチド単離を試みる。また、AK7のH鎖、L鎖のcDNAを単離し、抗Dsg3抗体B細胞トランスジェニックマウスの作成に成功している。今後は、野生型マウスおよびDsg3-/-マウスにおけるDsg3特異的B細胞の挙動を詳細に検討することにより、Dsg3に対する免疫寛容を獲得する機序を明らかにする。一方、皮膚感染症との関連を解析するアプローチでは、伝染性膿痂疹(いわゆる"とびひ")、およびブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群において、原因菌である黄色ブドウ球菌の産生する表皮剥脱性毒素(ETA)の標的蛋白が、落葉状天疱瘡の自己抗原と同じデスモグレイン1(Dsg1)であることをすでに明らかにしているが、本年度は血清学的に異なるもうひとつの重要な毒素であるETBの標的蛋白がやはりDsg1であることを明らかにした。表皮剥脱性毒素は、従来考えられていた以上に多数のアイソタイプを有する分子ファミリーを形成する可能性も見いだされた。次年度は、ET投与後のマウスにDsg1に対する自己抗体産生が認められるか検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sekiguchi M, Futei Y, Fujii Y, Iwasaki T, Nishikawa T, Amagai M: "Dominant autoimmune epitopes recognized by pemphigus antibodies map to the N-terminal adhesive region of desmogleins"J Immunol. 167. 5439-5448 (2001)
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[Publications] Tsunoda K, Ota T, Suzuki H, Ohyama M, Nagai T, Nishikawa T, Amagai M, Koyasu S: "Pathogenic autoantibody production requires loss of tolerance against desmoglein 3 in both T and B cells in experimental pemphigus vulgaris"Eur J Immunol. 32. 627-633 (2002)
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[Publications] Amagai M, Yamaguchi T, Hanakawa Y, Nishifuji K, Sugai M, Stanley JR: "Staphylococcal Exfoliative Toxin B Specifically Cleaves Desmoglein 1"J Invest Dermatol. (in press).
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[Publications] Ohyama M, Amagai M, Tsunoda K, Ota T, Koyasu S, Umezawa A, Hata J, Nishikawa T: "Immunologic and histopathologic characterization of active disease mouse model for pemphigus vulgaris"J Invest Dermatol. 118. 199-204 (2002)
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[Publications] Ohteki T, Suzue K, Maki C, Ota T, Koyasu S: "Critical role of IL-15-IL-15R for antigen-presenting cell functions of in the innate immune response"Nat.Immunol.. 2. 1138-1143 (2001)
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[Publications] 天谷雅行: "免疫2002"自己抗原ノックアウトマウスを用いた新たな自己免疫疾患モデル動物. 265 (2001)