2002 Fiscal Year Annual Research Report
バッハとロココ調装飾、ドビュッシーと印象派絵画など、音楽と絵画の歴史的相関の研究
Project/Area Number |
13871006
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中島 卓郎 信州大学, 教育学部, 助教授 (20293491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 匡史 信州大学, 教育学部, 助教授 (30194369)
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Keywords | 音楽 / 絵画 / 印象派 / ドビュッシー / モネ |
Research Abstract |
「印象派期における音楽と絵画の相関(2)-ドビュッシーとモネの作品の構造的側面からの分析および考察-」と題して、研究および論文を執筆中である。言説の比較を軸とした第1稿(「印象派期における音楽と絵画の相関(1)-ドビュッシーとモネの言説に基づく考察-」,信州大学教育学部紀要105号,2002)に続き,本稿では,ドビュッシーとモネの作品の構造にフォーカスしている。 論の進め方であるが,音楽分野(1章)を中島が,絵画分野(2章)を岡田が担当している。初めに中島が構造的側面から見たドビュッシーの作品および作曲技法の特徴を明らかにする。分析にあたっては次の8項目を視点としている。(1)表現媒体,(2)形式,(3)モティーフの展開方法,(4)メロディー,(5)ハーモニー,(6)リズム,(7)デュナーミク,(8)アーティキュレーション。なお,分析が散漫になるのを避けるため,研究対象としてはピアノのための作品群を中心とし,中でも項目(3)〜(8)は,《前奏曲集》に焦点化して分析中である。 一方、それを受け,インスパイアされた,モネの絵の分析を岡田が対応する8つの視点を設けて綴る方法をとっている。ドビュッシーの楽曲との構造的照応を見るのに取り上げるモネの作品は風景画であり、分析の視点は次の8項目である。(1)構図,(2)描画対象,(3)絵のベーシックなつくり方,(4)線と形,(5)形の表し方,(6)配列の妙,(7)賦彩法,(8)唱法としての筆遣い。
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