2001 Fiscal Year Annual Research Report
生後1年未満の乳児における注意の抑制機能の発達と模倣行為の関係
Project/Area Number |
13871011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中川 敦子 名古屋市立大学, 人文社会学部, 助教授 (90188889)
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Keywords | 乳児 / 注意 / 抑制機能 / 模倣 |
Research Abstract |
乳児を対象に、課題は月齢によって違えて、注意機能と模倣能力について心理学実験を行った。いずれの行動評定も実験目的をしらない第三者によって行われた。また、月齢3ヶ月以上の被験児に対し、気質に関する質問紙(IBQ-R : Gartstein&Rothbart,2000)を実施した。 1.新生児12名:以下の方法で新生児模倣を確認した。被験児の自然な状態を1分間観察した後、実験者が対面して刺激(口開け、舌出し、唇をとがらす、手のひらの開閉)を各15秒間与え、刺激呈示後の被験児の様子を各30秒間録画した。 2.4ヶ月児19名:新生児と同様な模倣実験とともに、眼球運動実験(カウンタサッケイドと回帰の抑制課題)を行った。実験に最後まで参加できた10名の結果のうち3名については、生後1〜2ヶ月時に模倣実験を実施しており、模倣行動の変化を縦断的に検討した。 3.9〜11ヶ月児30名:前述の眼球運動課題と共同注意課題、模倣課題を3回にわけて行った。 共同注意行動とは。"対象に対する注意を他者と共有する行動"であり、その課題(Butter worth,1991)では、実験者(あるいは母親)と被験児は対面し、実験者(あるいは母親)はアイコンタクトをとった後に、実験室の前後左右にとりつけられたターゲットをゆっくり見る(指さしなし条件と指さし条件)。被験児の様子はビデオ録画され、同じターゲットを見ているか否かが分析された。動くおもちゃ等を用いて、他者に注意の共有を促す行動についても調べた。模倣課題では、1日目、実験者が被験児に7種類の玩具をそれぞれ操作して見せる。うち、4つの玩具については被験児に即座に渡し、模倣するか否かを観察し(即座模倣)、残り3つの玩具については実験者による呈示のみ。2日目(24時間後)、被験児の前に、1日目の玩具を順に1つずつ置き、模倣するか否かを観察した(延滞模倣>。
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