2001 Fiscal Year Annual Research Report
生別母子家族がもつ資源の構造と自立支援に関する研究
Project/Area Number |
13871027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
岩田 美香 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (30305924)
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Keywords | 母子家族 / 母子生活支援施設 / 自立支援 |
Research Abstract |
本年度は母子生活支援施設入所の母子家族について、次の順序と方法により質問紙調査と面接調査を実施した。質問紙調査は、北海道内に存在する全ての母子生活支援施設(札幌6ヶ所、江別1ヶ所、函館2ヶ所、小樽1ヶ所、旭川1ヶ所、計12施設)において、入所している母親を対象に180票を配布し163票を回収した(回収率は90.6%)。調査票は、施設を通して配布回収したが、回収では個別の封筒に封をして留め置きとする回収の形式をとり回答者のプライバシーに配慮をした。調査内容は、母親と子どもの生活の現状と困難さの認知、さらに、それらの規定要因あるいは解決要因ともなりうる母親の個人的・社会的資源、施設・行政についてのへの要望、将来への見通しについてである。調査期間は、2001年7月である。つづく面接調査では、質問紙調査の最後に応諾してくれる方が氏名を明記し、研究代表者が被調査者を訪問して、質問紙調査を深める形で聞き取り調査を実施した。質問紙調査回収163票中、47名が応諾してくれたが、子どもの病気や仕事の都合で面性を拒否した者、面接当日となって拒否した者があり、また一方で、質問紙調査では名前を明記しなかったが、施設内で面接調査を受けた母親の話を聞いて、後から面接を希望してくる母親もおり、面接調査については、現在も進行している。 これらの調査から、明らかになりつつあることは、母親の生活の困難さが施設の援助を受けていながらも深く存在しているということ。また、母親の自立への援助を考えるうえでは、母親が自分と子どもの将来に向けて、生活をどのように立て直していくかという具体的なビジョンをもてるようなアプローチが必要であるが、残念ながら、その点においては施設におけるソーシャルワークが十分には機能していないという実態が示された。
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