2003 Fiscal Year Annual Research Report
在宅高齢者に対するストレングス視点によるソーシャルワーク実践
Project/Area Number |
13871028
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
今井 朋実 静岡県立大学短期大学部, 社会福祉学科, 講師 (10326994)
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Keywords | ストレングス視点 / 在宅高齢者 / 実践モデル |
Research Abstract |
本研究では、米国カンザス大学での文献研究のため再び渡米した。学術論文検索データベースsocial work abstractsで検出された、2001年から2003年の間に公刊されたストレングス視点による実証研究に関する文献研究を行った。8月の米国での文献研究が終わるや否や、急遽入院、手術、加療をした。引き続き加療に努めていたため、本年度の本研究においては、在宅高齢者のためのストレングス視点によるソーシャルワークを実践するために、在宅のうつ傾向にある高齢者を対象人口として、介護支援専門員とともにソーシャルワーク実践モデルの構築を予定していたが、到達点まで至らなかった。静岡県静岡市において、16年度にモデル構築のための実証研究を繋げていく予定である。Staudt, Howard & Drake(2001)は、Journal of Social Service Researchの中で、ストレングス視点をベースにしたアプローチに対する評価やそのアプローチを実証的に支持し、また検証した論文が殆ど公刊されていないことを指摘し、加えて、福祉サービス利用者へのアプローチの成果が、ストレングス視点によるのか、あるいは様々な追加されたサービスによるのか、を決定するのは容易なことではない、と述べている。更に、ストレングス視点の指示が十分に操作されたり、測定されることが大変困難であり、また、ストレングス視点は価値としてのスタンスでは理解されるが、明瞭で効果的な実践モデルとするには、支持することが現時点では大変難しいと述べている。これが研究の現在の限界である。わが国では、現行の高齢者福祉制度においては、介護保険制度により高齢者への福祉サービスは要介護度の評価により決定される。白澤(2003)は、利用者のストレングスの活用をケアプランの作成の中に反映していくことを提案している。要介護度の評価にストレングス視点を付加する形で、高齢者の福祉ニーズを評価する指標を今後開発、探索が有効であると考える。
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