2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13874028
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
|
Keywords | 非線型完全積分可能系 / 代数的可積分系 / パンルヴェ方程式 / 代数解 / p-解析 / p-線型方程式 |
Research Abstract |
本研究課題は、以下のような具体的な課題を目的とする、(1)P-線型微分方程式について、その解の構造をP-解析的手法で調べること、(2>パンルヴェVI型方程式は、その特殊解として豊富な代数解を持つが、これらの代数解をP-解析的に調べること。(3)超越的な解を特つ可積分系も有限体上では代数的可積分系となることがあるので、適当なモデルを作り数理実験を行うこと。(4)P-解析の意味で代数的可積分系であるような可積分系を構成すること。(5)数理的現象の意味を明確にするために、線形常微分方程式の場合をモデルとして、P-線形微分方程式の一般論を目指すこと。数理実験で現れる現象の背後にある数学的な楠造を、少なくとも得られた現象については明らかにすることにより、上記の目的を達成し、手法としても数学的対象としても発展させることが目標である。既に知られている数理実験の結果の数学的意味付けを明らかにしつつ、さらにコンピュータ等を利用して新しい数理現象を発見するべく実験的考察を続けている。研究期間を通して、数理実験とその結果の解析が中心印な仕事となる。初年度である平威13年度には、研究目的の欄にある、(2)、(3)の数理実験と数学的研究(1)を進めている。並行して(4)と(5)の研究の方向を定めることは研究代表者の役割である。研究分担者は具体的な手法と課題を明確にすることを目標としている。2年間を通して研究総括は研究代表者が行うが、研究分担者は必要に応じて他分野の研究者との交流による情報と知見の収集、および共同研究の準備と実行を進めているところである。また、本研究計画を推進するため,諸分野の研究者が直接討論をおこない,アイディアの交換に努めている。この研究計画の実現により、上記(5)にある代数的可積分系のP-解析理論の構築に一歩進むことができ、それにより可積分系から代数学にわたる分野横断的な研究者の新しいグループが構築できれば、本研究課題の目的は達成されたことになる。そのような段階までどのくらい近づけるかどうかが次年度の課題となるであろう。
|