2003 Fiscal Year Annual Research Report
対流渦の直接数値計算による惑星CO_2大気の光化学安定性に関する研究
Project/Area Number |
13874053
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
林 祥介 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20180979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小高 正嗣 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60344462)
倉本 圭 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50311519)
渡部 重十 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90271577)
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Keywords | 火星大気 / 鉛直対流 / 内部重力波 / 鉛直伝搬 / 波の砕破 / 鉛直渦拡散 / 大気光化学 / 大気進化 |
Research Abstract |
今年度はこれまでの火星大気二次元対流計算の延長線上に計算領域の拡張と放射・光化学プロセスの導入を試みた. 計算領域の拡張は,分解脳100mを維持したまま,まず鉛直方向に高度100kmまで拡張することを行い,ついで水平方向にできるだけ広い領域を並列計算技術等を用いて確保することとした.これまでの計算により,対流圏の鉛直対流によって生成される重力波は高度とともにその卓越波数が小さくなることがわかっており,高高度領域での内部重力波による混合の影響を計算するためには同時に水平方向にも十分な計算領域が必要となる. 領域拡張において判明したことは,これまで我々が用いてきた非弾性方程式系の問題点である.非弾性系では音波を含まないため,圧力を求める際には楕円型の微分方程式を解く必要があったが,これは並列化計算における効率を低下させる要素となる.我々は数値コードを再検討した結果,基礎方程式系の見直しを行い新たに音波を考慮した準圧縮方程式系に基づく対流数値モデルの開発を行うことにした.開発中のモデルと関連文書はhttp://www.gfd-dennou.org/arch/deepconv以下に公開している. 放射・光化学プロセスの導入に関しては極めて単純な二酸化炭素の吸収射出ならびに二酸化炭素の光分解過程を組み込み,高高度での物質分布の時間発展を追うことにした.高高度領域を確保するべく水平32kmの狭い領域に限定し,非弾性系モデルを用いた予備的な計算を実行した.残念ながら,二酸化炭素の光分解に対して重力波の砕破混合が働き分解を阻害する傾向を見極めるための十分なパラメタ実験を行うまでには到らなかった.今後準圧縮方程式系によるモデルを用いて計算を継続する予定である.
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