2001 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザーパルスによる有機固体の階段状エッチング
Project/Area Number |
13874089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増原 宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城田 靖彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029091)
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Keywords | 階段状エッチング / 離散的エッチング / フェムト秒アブレーション / 多重記録 / 有機アモルファスフィルム / トリフェニルアミン / 高速分子 / 顕微光散乱計測 |
Research Abstract |
系統的な研究がなされてきたナノ秒エキシマレーザーアブレーションにおいては、エッチングプロファイルはあらゆるケースにおいて、パルス光のガウシアン分布を反映して滑らかに変化している。ところがフェムト秒レーザーパルスで光吸収のない透明なアモルファスフィルムを励起したところ、1ショットで階段状の穴が掘れ、しかもその階段1ステップ毎の高さは大体一定という全く奇妙な現象をみつけた。この新奇な現象を光物理・光化学として、分子の電子状態、緩和ダイナミックスのレベルで明らかにするために、分担者城田は新しいアモルファス固体を形成するトリフェニルアミン系の化合物を多数合成し、融点、相転移点、比熱など熱パラメーター、吸収および蛍光スペクトルなど分光特性を調べている。また、階段状エッチングがどのような条件の時に出現するか、またフェムト秒光エネルギーがいかに興味あるエッチング形態を与えるか、その時間発展をミクロスコピックに解明している。代表者増原はフェムト秒レーザー、高速分光計測システム、顕微光散乱計測システムを活用し、この新規化合物の形成するアモルファスフィルムのフェムト秒レーザーアブレーション実験を行っている。階段状エッチング現象を探索した結果、かなり一般的な挙動であることを確認し、励起波長、フルエンス、パルス幅の関数として詳細な検討を開始した。この萌芽的研究は複雑系ダイナミックスとして格好の課題として位置づけており、今後はLED加工や多重記録への応用なども提案していく。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Y.Hosokawa, M.Yashiro, T.Asahi, H.Masuhara, T.Kadota, Y.Shirota: "Femtosecond Multistep Laser Etching of Transparerir Amorphous Organic Film"Jpn. J. Appl. Phys.. 40・10B. 1116-1118 (2001)