2002 Fiscal Year Annual Research Report
光回折の消滅現象を利用したトライボ分子膜のマイクロ流動計測に関する研究
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13875032
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三矢 保永 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10200065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勇武 TDK 記録技術開発センター, 研究統括部長
大島 康司 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (60293651)
福澤 健二 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (60324448)
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Keywords | ナノ分子膜 / 表面ナノ構造 / スプレッディング / PEPE / テクスチャ / 拡散 / 磁気ディスク / モンテカルロシミュレーション |
Research Abstract |
多数の微小な円周溝をもつ表面において,光回折が消滅する現象を利用してPFPE系潤滑剤の微小液滴の表面流動特性を計測する方法の有用性が確認できたので,今期には,溝付表面上の表面流動における溝深さと潤滑剤の分子量・極性基に着目して,これらをパラメータにして実験を行った.また,シミュレーションにより分子量の影響が相対的に評価できるように,Isingモデルに基づくモンテカルロ(MC)法を拡張して,その有効性を確認した.結果をまとめると以下のとおりである. (1)溝付面として2種類の市販のCD(ポリカーボネート)の未記録面を,また潤滑剤として分子量の異なる無極性PFPE(分子量分布4000〜13000g/mol)と極性PFPE(分子量4000g/mol)を用いて,溝に平行方向の表面流動を実測し,分子量の増大や極性基の存在によって,表面流動が減速することを明らかにした.(2)表面流動距離と経過時間との関係より,表面流動特性は,表面流動距離が時間に比例する前期領域と,表面流動距離が時間の平方根に比例する後期領域に明瞭に別けられ,分子量の増大とともに前期領域が短くなる現象を観測した.(3)溝に平行な方向への拡散は,溝深さが大きいほうが速くなり,とくに分子量の大きい潤滑剤や極性基のもつ潤滑剤では,この加速効果が大きくなる. (4)溝の効果は,表面エネルギーを増加させることと等価であり,溝が深くなるにしたがつて,表面エネルギーが大きいシリコンやダイヤモンドライクカーボンの表面流動特性に近づく傾向がある.(5)Isingモデルに基づくモンテカルロ法を拡張して,溝内部における表面流動に及ぼす分子量の影響を定量的に計算するための定式化を導入した.実験結果と比較して,表面力と分子間力の結合係数の比を適正に選択すれば,本シミュレーションにより,分子量,溝の効果を定性的に予測できる.
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[Publications] 張 賀東, 三矢 保永, 山田 麻衣子: "溝状テクスチャ付表面における分子層潤滑膜の表面流動特性 -分子量および極性基の影響-"トライボロジスト. No.01-8. 51-60 (2002)
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[Publications] H.Zhang, Y.Mitsuya, M.Yamada: "Spreading Characteristics of Molecularly Thin Lubricant on Surfaces with Groove-Shaped Textures : Monte Carlo Simulation and Measurement Using PEPE Film"Trans. ASME Journal of Tribology. Vol.124. 575-583 (2002)
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[Publications] Hedong Zhang, Yasunaga Mitsuya, Maiko Yamada: "Spreading Characteristics of Molecularly Thin Lubricanton Surfaces with Groove-Shaped Textures : Effects of Molecular Weight and Functional End-Group"Trans. ASME Journal of Tribology. (掲載決定). (2003)
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[Publications] Y.Mitsuya, K.Goto, Y.Hayashi: "Formation of lubricant "SIERRA"at boudary between pfpe solution dipped and un-dipped zones over dlc coated magnetic disks"2002 ASME/STLE Joint International Tribology Conference. (2002)