2001 Fiscal Year Annual Research Report
視覚の残像現象を利用した3次元メカニカルグラフィックスの研究
Project/Area Number |
13875050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
橋本 稔 信州大学, 繊維学部, 教授 (60156297)
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Keywords | 視覚提示 / 高速運動制御 / 残像現象 / パラレルワイヤシステム / LED |
Research Abstract |
仮想現実感技術の進展に伴い,3次元形状をいかに提示するかという研究が進められている.一般的な例として,HMDを用いて左右眼に視差のある画像を与え,その両眼視差により奥行き感を知覚させる方法がある.しかし,この方法では頭部に装着した装置の重量や,輻輳調節矛盾という現象により利用者に多大な疲労を与えてしまうことが問題となっている.そこで本研究では新しい視覚提示法として,視覚の時間的応答特性を利用した3次元形状提示を提案する.光源の高速運動により発生する残像現象を用いて立体形状提示を行うことを基礎原理として,パラレルワイヤ駆動方式による高速運動制御を実現するためのシステムを構築し,視覚提示装置としての評価を行った. 3次元形状の視覚提示を目標とし,光源の高速運動による残像現象を実現するパラレルワイヤ駆動システムの開発とその評価を行った. パラレルワイヤ駆動方式では,モータを用いてワイヤ長さを調節することで対象の運動を制御する.高さ800[mm],幅920[mm],奥行700[mm]のアルミニウム製フレーム上に,6自由度運動のための7個のDCモータ(定格回転速度3000[rpm],定格トルク0.64[Nm])を配置する.モータの駆動軸にはMCナイロン製プーリ(φ92[mm])をギアを介さず直接取り付け,運動の高速化を図っている.プーリに巻きつけられたワイヤ(φ0.5[mm])はワイヤガイドを通じて光源球体へと接続される.光源球体の中央には視覚提示用のLEDが取り付けられている. パラレルワイヤ駆動システムの周波数応答特性と目標軌道の追従性について実験による評価を行った.その結果,周波数10〜15[Hz]まで光源が目標軌道に追従して運動しており,モータの周波数特性と同程度の結果が得られた. 直径60[mm]の円軌道と一辺30[mm]の正方形軌道を生成する視覚提示実験を行い,目標とした形状提示を行うことができた.以上により,視覚提示装置としての本システムの有用性を示すことができたと言える.今後,より高速な運動制御実現すると共に,LEDアレーを用いて複雑な形状の提示を可能としたい.
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Research Products
(2 results)