2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13875066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50323530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手
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Keywords | 有機薄膜 / ペンタセン / 有機トランジスタ / モビリティ / 粒径 / サブミクロン / FET / 高圧アニール |
Research Abstract |
有機薄膜FETの高性能化を目指して、本年度は以下の研究を実行した。 (1)ペンタセン薄膜を真空蒸着法で形成し、金電極をソース、ドレインにしたFETを彩成し、トランジスタ動作を確認した。モビリティの精密測定を行い、電界依存性を測定し、FETの横方向、縦方向電界の増加とともにモビリティの増加を確認した。 (2)結晶粒径と同程度のFETを電子ビーム露光装置を用いて作成した。サブミクロンのチャネル長を持つFETの動作を検証した。 (3)粒径の増大を目指して、高温でのアニールを行った。ペンタセン薄膜の昇華温度をあげるために、高圧下でのアニールを行い、粒径の変化を調べた。 (1)からは、モビリティが主に粒界のポテンシャル障壁によって決定されていることがわかった。また、室温付近の蒸着では薄膜層が単一相として形成されることがわかり、モビリティは、0.1cm2/V/secを超えるものが得られた。 (2)の結果から、サブミクロンまでの微細化による電流の増加が観測され、有機TFTにおいても微細化メリットがあることが明瞭に示された。 (3)100気圧程度の圧力を加えることで、250℃におけるアニール後にも蒸発せずに膜が維持されることを発見した。このアニールの前後で粒径の変化をAFMで観測した結果、粒径が約2倍程度増加していることがわかった。また、高温アニールの結果、膜の相が変化し、薄膜層から単結晶相に変化していることがX線回折の実験からわかった。 以上の結果をふまえ、さらに最適化をはかり、FET特性の実証を来年度に行う。
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