2001 Fiscal Year Annual Research Report
粘性土を含む不均質土における電気動力学的土壌浄化法の研究
Project/Area Number |
13875086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
福村 一成 宇都宮大学, 農学部, 講師 (50312864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 勝 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00181917)
石田 朋靖 宇都宮大学, 農学部, 教授 (00159740)
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Keywords | 土壌浄化 / 硝酸態窒素 / 界面動電現象 |
Research Abstract |
平成13年度は ・不均質土壌における電気動力学的現象(界面動電現象)を、砂・粘土それぞれについて理論的に考察し、新しく制作する土壌カラム実験装置に求められる性能を検討した。これに基づいて実験用の土壌カラムの仕様、電極の種類、流量コントロールシステム、電極間電位測定システムなどを構築した。 ・土壌カラム実験装置を試作し、粘土・砂カラムを用いて、必要な性能を得られるよう、試行と装置の改良を繰り返しながら、実験データと理論的な予測との差異を記録。実験システムを完成した。 ・粘土と砂それぞれの土壌カラムを用いて、動電現象による硝酸イオンの移動を、電圧印可時間を変えて実験を行った。 以上の実験結果から、砂・粘土それぞれにおいて硝酸イオンの動電現象による移動を確認することが出来た。さらに以下のような点が明らかになった。 ・砂カラムでは硝酸イオンの挙動、特に硝酸イオンを陽極周辺に集める事が出来た。電極近傍のpH変化にる影響が推定される結果が得られたが、その定量的な把握は次年度の課題。 ・粘土カラムでも、砂カラムの場合同様にイオンが陽極へ移動することが確認できたが、粘土(ベントナイト)によるイオンの脱着の影響と考えられるイオン濃度分布が観察された。粘土によるイオンの脱着を考慮した濃度分布の推定と実験結果の比較は次年度の課題。 ・粘土カラム実験では、電気浸透による脱水と粘土の収縮、さらに亀裂の発生によるカラムの導電性確保がイオンの移動量に大きな影響を与える事がわかった。 ・粘土・砂どちらの実験においても、積算電力量とイオンの移動・集積量に比例関係が観察され、イオン集積のモニタリング指標として、積算電力量を用いることが出来る。 来年度は今年度完成した実験装置を使い、粘土と砂を混合したカラムを用て、不均質な土壌におけるイオンの移動をとらえ、砂・粘土均一な浄化が可能であることを示す。
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