Research Abstract |
平成13年度は輸送業者,廃棄物処理業者へのヒアリングを行い,その結果に基づいてリサイクルにかかる物流コストの推計とそのリサイクルに関わる廃棄物の物流量予測を行った. リサイクルにかかる物流コストの推計では,分別,保管,収集,運搬,再生,処分の各段階にかかる物流コストを,代表的な品目である自動車および家電製品についてそれぞれ推計した.ここでは廃棄物も一般の原材料製品と同様の流通機構にのると考えた.前処理業者が一般の製造業者に相当し,また必要に応じて卸売業者が介入するものとする.それぞれの業者の存在する地点における物流コストは,設備費,人件費,店費,運転費,倉庫費,製品金利が考えられ,各流通段階においてはそれぞれマージンがかかる.更にフローにかかるコストとして輸送費がある.これは前処理業者が全国各地に点在し,使用者である製造業者は比較的限られた場所に立地していると考えると,前処理業者が回収を行う端末輸送は2トン車,前処理業者からの出荷は10トン車,更に卸売業者が介入している場合はその出荷は20トン車が一般的となると考えた.さらに他のリサイクルが進展している,あるいは今後進展することが予想される品目,具体的には紙,プラスチック,ガラス瓶,スチール缶,アルミ缶についても,製品および廃棄物の形状や重量を考慮することによりリサイクルに関わる物流コストを推計した. リサイクル物資の卸売業者や流通ターミナルの新設等,数通りの現実的なシナリオを仮定し,それぞれのシナリオごとに,発生集中貨物量とOD貨物量を推計した.まず発生集中貨物量を地域別の人口,消費特性,生産量,リサイクル投入比率より推計し,それらから線形計画法によりOD貨物量を推計した.
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