2002 Fiscal Year Annual Research Report
担持金属における金属粒子間距離と反応特性との相関に関する研究
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13875153
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岸田 昌浩 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60243903)
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Keywords | 一酸化炭素の水素化反応 / シリカ担持ロジウム触媒 / ロジウム粒子間隔 / マイクロエマルション / シリカ包接微粒子 |
Research Abstract |
ME法では,あらかじめ粒子径を制御したRh錯体微粒子を合成し,TEOS添加量すなわちシリカ形成量を変えることによって,Rh粒子径が4〜5nmとほぼ一定で,Rh担持量を0.6〜10.3wt%まで変化させることに成功した。それらの触媒のCO水素化反応特性を調べたところ,表面Rh1原子当たりの活性(TOF)はRh担持量が3.5wt%のときに極小値を示した。また,Rh担持量が3.5wt%のときに炭素数2以上の含酸素化合物(C_<2+>Oxy)の選択性が極大を示した。しかし,この触媒ではRh粒子がシリカ担体に均一に固定化されておらず,Rh粒子間隔の影響であるかは不明であった。そこで,球状シリカの中心にRhが一つ固定化されるシリカ包接Rh触媒をシリカ被覆層の厚さ(Rh担持量)を変えて調製した。Rh担持量を1.3wt%から10.5wt%に変化させてもRh粒子径は約3〜4nmとほぼ一定であった。この触媒ではシリカ層厚さのおよそ2倍がRh粒子間の間隔と考えることができる。それらの触媒のCO水素化反応特性を調べた結果,Rh粒子間隔が変化してもTOFおよび生成物選択性はほとんど変化しなかった。すなわち,Rh粒子の間隔はCO水素化反応特性に影響を及ぼさないことが示された。一方,ME法触媒でRh担持量が生成物選択性に影響した原因を検討するため,Rhの還元されやすさを昇温還元法(TPR)によって調べた。その結果,ME法触媒では,TPRの還元ピークがRh担持量とともに変化することがわかった。すなわち,ME法触媒では,Rh担持量によってRhとシリカとの結合状態が変化していることが示唆された。
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