2001 Fiscal Year Annual Research Report
有機/無機複合材料膜の光デインターカレーションによる可逆的光着色材料の開発
Project/Area Number |
13875167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
栗焼 久夫 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (50178109)
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Keywords | デインターカレーション / 複合材料 / 光着色 / 有機 / 無機 |
Research Abstract |
1.層状化合物半導体PbI_2(ホスト)に直鎖状有機分子n-ノニルアミン(ゲスト)をインターカレーションさせることでn-ノニルアミン/PbI_2複合材料膜を合成した。得られた膜の色は黄色であったが、クセノン光を照射すると、橙色に変化した。その後、光照射を停止すると元の黄色に戻るという可逆性を示した。 2.n-ノニルアミン(以下NAとする)のインターカレーションによって、NA/PbI_2複合材料膜の吸収端がPbI_2よりも短波長側にシフトする、つまりエネルギーギャップが増大する。この増大過程をみるためにPbI_2に対するNAの仕込みのモル比nを変えたNA/PbI_2複合材料膜(n=1〜4)を合成し、透過光スペクトル測定を行った。インターカレーションによってエネルギーギャップがPb12のもつ2.43eVから最大3.20eVまで増大した。特に,モル比がn=0〜1で合成したNA/PbI_2複合材料膜ではエネルギーギャップはnとともに急激に増大することがわかった。またX線回折測定から、n=1.0付近では、PbI_2の層間にNAが0層の領域と2層の領域がNA/PbI_2複合材料膜中に共存しており、n=2.0以上ではPbI_2の層間にNAが2層のみであることがわかった。また、インターカレーションしているNAは層間において、PbI_2のc軸に対し53.8°、及び30.1°に傾いて2層で配向していると考えられる。このように、n=0〜1でのエネルギーギャップの増大は、NA/PbI_2複合材料膜中においてPbI_2の層間でNAO層に対するNA2層の存在比が増大していったことによると考えられる。
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