2001 Fiscal Year Annual Research Report
不斉配位子のコンビナトリアル最適化を可能にする新しい光学活性オリゴマー骨格の開拓
Project/Area Number |
13875175
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉野目 道紀 京都大学, 工学研究科, 助手 (60252483)
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Keywords | 不斉合成 / 配位子 / オリゴマー / ヒドロシリル化 / らせん / パラジウム / 不斉開始剤 / らせんポリマー |
Research Abstract |
(1)オリゴ(キノキサリン-2,3-ジイル)の不斉合成における新規不斉重合開始剤の開発 オリゴマー構造を有する不斉配位子の開発においては、オリゴマーらせん状骨格のらせん不斉を高度に制御しうる骨格形成法の開発が不可欠である。従来用いていたビナフチルパラジウム開始剤は、高い立体制御能力を有してはいたものの、その合成に数段階を要する点で必ずしも実用的とは言えなかった。本研究において、市販の出発原料から3段階で合成される光学活性(S, S)-及び(R, R)-4,5-ジフェニルィミダゾリン-2-イルパラジウム錯体が極めて高いらせん不斉誘起能力を有していることを明らかにした。この開始剤を用いて合成した(3量化キノキサリニル)ジフェニルホスフィンは、パラジウム触媒によるスチレンのヒドロシリル化において従来のビナフチル体と同等のエナンチオ選択性を示し、より実践的な不斉配位子合成が可能となった。 (2)コンビナトリアル法による新規不斉配位子の構造最適化 様々な置換基を有するキノキサリンユニットの組み合わせからなる(3量化キノキサリニル)ジフェニルホスフィンを配位子とする、スチレンのパラジウム触媒不斉ヒドロシリル化を行った。その結果、3つのユニットのうち2番目のユニット上の5,8-置換基のかさ高さが最も大きくエナンチオ選択性に影響することを見出した。これらの知見から、第一ユニットの5,8置換基としてp-トリル基、第2,第3ユニットの5,8置換基としてp-t-ブチルフェニル基を有する(3量化キノキサリニル)ジフェニルホスフィンを合成し、同反応に用いたところ82%eeのエナンチオ選択性が得られた。
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Research Products
(1 results)