2001 Fiscal Year Annual Research Report
キラル触媒を用いた置換アセチレンのキラリティー制御不斉重合-機構の解明と得られる高分子の機能開拓-
Project/Area Number |
13875181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
青木 俊樹 新潟大学, 工学部, 教授 (80212372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 隆司 新潟大学, 工学部, 助手 (90272856)
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Keywords | キラルらせん高分子 / 安定らせん / 重合共触媒 / 分子内水素結合 |
Research Abstract |
最近、申請者らは光学不活性アセチレンモノマーからの不斉誘起重合を光学不活性なロジウム錯体とキラルアミンを触媒系に用いることで成功した。しかも得られたキラルらせんは溶液中で十分安定であった。さらに重合条件を検討したところ、『光学不活性なロジウム錯体とキラルアミンのモル比のみを変えることで得られる高分子のキラリテイーの正負、すなわち、らせんの巻方向を制御できる』ことを見い出した。本研究では上記の興味深い重合反応の機構と適用範囲の検討と得られた高分子の利用法の開拓を目的とする。 今年度は下記の実験を行なった。 (1)この高分子よりの膜による光学異性体選択透過性の実験をおこなった。透過物としてはフェニルアラニン、トリプトファンを用いた。 (2)この高分子のキラルらせんの安定の原因の考察をモノマーの水酸基の数の異なるものを合成し、共重合することで行なった。 (3)この高分子をリビング的に合成する方法の検討として、新たな触媒系を検討した。その結果、下記の有益な知見が得られた。 (1)この高分子よりの膜によって光学異性体の膜分離を実現できた。っまり、主鎖不斉そのものが選択透過に有効であることが分かった。 (2)この高分子のキラルらせんの安定な原因が分子内水素結合であることが共重合とIRにより判明した。モノマー単位中に2つの水酸基が必要であることも分かった。 (3)この高分子をリビング的に合成する方法を探索した。触媒の調製を現在行なっている。
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