2001 Fiscal Year Annual Research Report
シリカオパールを鋳型として作製したポリマーフォトニッククリスタルを用いた発光制御
Project/Area Number |
13875189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
片平 賀子 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (90315143)
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Keywords | 自己組織性 / 誘電率周期構造体 / フォトニッククリスタル / フォトニックバンドギャップ / シリカオパール / 逆オパール / ストップバンド |
Research Abstract |
鋳型として用いるシリカオパールの作製: 誘電体微小球が自己組織的に最密充填構造を形成することを利用して,単分散性で真球度が高く,ストップバンドが可視光領域に相当する平均粒径288nmのシリカ微小球を合成し,自然沈降法により周期構造体(オパール構造)を作製した。SEMにより内部、表面構造の解析を行い,多結晶構造(マルチドメイン構造)ではあるものの,それぞれのドメイン内ではf. c. c構造を形成していることを確認した。 ポリマー逆オパールの作製: シリカオパールの間隙に(1)モノマーを充填し,重合させる(重合法・ポリスチレン(PS),ポリメタクリル酸メチル(PMMA)),(2)可溶性前駆体を充填し,架橋させる(プレポリマー法・ポリフェニレンビニレン(PPV),ポリウレタン(PU)),(3)加熱溶融したポリマーを充填し,冷却固化させる(溶融法・PS,ポリビスフェノールAカーボネート(PC),ポリエチレンテレフタレート(PET))方法を用いてそれぞれのポリマーを導入した。次に,8%フッ化水素酸中で保持基板であるガラス基板およびシリカ微小球を選択的に除去し,ポリマー逆オパールを作製した。SEMにより鋳型として用いたシリカオパールの粒子径とほぼ等しい直径の球状の空隙が規則的に形成され,フォトニッククリスタルとしてf. c. c構造の格子点に空気球が存在する"air atom"構造を形成していることを確認した。 発光材料の合成: 逆オパールヘの発光材料の導入には,(a)モノマーまたは可溶性前駆体に発光材料を分散させる,(b)蛍光性ポリマーを充填する方法があり,前者の発光材料として光重合などに耐えうる熱的,化学的に安定でかつ鋭い発光スペクトルを有し,蛍光寿命が長く,蛍光量子収率が非常に高いEu錯体((TTA)3EuPhenなど)の合成を行った。また,後者の蛍光性ポリマーとして長いアルキル鎖を有する(PPV)の合成を行った。 ポリマー逆オパールの光学特性の測定: 紫外・可視分光光度計を用いて透過スペクトルおよび反射スペクトルを測定し,さらに透過特性におけるストップバンドの角度依存性を評価した。ストップバンドが観測される波長領域が変化し,ストップバンドの深さが異なることが分かった。
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