2002 Fiscal Year Annual Research Report
銀イオンによる含砒素鋼鉱物の選択的バイオリーチング
Project/Area Number |
13875197
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 千弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30271878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 孝一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90291252)
千田 佶 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10005499)
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Keywords | 鉄酸化細菌 / バイオリーチング / 銀イオン / 含砒素銅鉱石 / 黄鉄鉱 / 阻害 / 数学モデル |
Research Abstract |
本研究では、現在の乾式精錬法では処理が困難な含砒素銅鉱物に対しパイオリーチング法を適用し、銅を回収する省エネルギー・環境調和型プロセスの基礎を確立することを目的としている。本年度においては、昨年度に選抜した銀耐性鉄酸化細菌単離株を用いて、その銀イオン耐性について詳細な検討を行うとともに、含砒素銅鉱物の主要な脈石鉱物である黄鉄鉱の溶解に及ぼす銀イオンの作用を検討した。 その結果、銀耐性鉄酸化細菌であるAcidithiobacillus ferrooxidans E-24株は、銀イオンにより阻害されるが、そのメカニズムは混合阻害であることが見い出された。また、基質である第一鉄イオンや生成物である第二鉄イオンによっても阻害されることも確認された。上記の結果をふまえ、E-24株の鉄酸化活性に及ぼす銀イオン、基質、生成物の影響を考慮した新しい数学モデルを構築した。 また、黄鉄鉱を用いた銀イオンを含むバイオリーチング試験を行い、黄鉄鉱のリーチングは銀イオンにより抑制されることが見い出された。その抑制は、銀イオンが鉄酸化細菌に対して阻害を及ぼさない濃度範囲においても起こるものであることが分かった。すなわち、銀イオンは第二鉄イオンによる黄鉄鉱の溶解反応自体を抑制することが確認された。この抑制メカニズムには、未だ不明な点が多いものの、主に単体銀の析出によるものであると推測される。 以上のことから、銀イオンを添加した含砒素銅鉱石のバイオリーチングを実施した場合、2×10^<-4>mol/l以下の銀イオン添加量であれば、鉄酸化細菌は銀イオンによる阻害されることなく活動でき、銀イオンにより銅鉱石の浸出が促進されるとともに、脈石鉱物である黄鉄鉱の溶解は抑制されるという選択的バイオリーチングが実施可能であることが見い出された。
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Research Products
(1 results)