2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13876006
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
板村 裕之 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (80109040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟木 賢治 島根大学, 教育学部, 助教授 (90091579)
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Keywords | カキの機能性 / 可溶性総ポリフェノール / 単量体カテキン類 / 悪酔い防止 / カキの脱渋果 / アルコールとアセトアルデヒド |
Research Abstract |
島根県産業技術センターなどの調査で、カキ'西条'果実および葉は抗酸化性、抗アレルギー活性などの高い機能性が確認されている。一方、本プロジェクトの2年間の調査で、単量体カテキン類について、カキ'西条'果実ではカテキンが生育初期に多く、'生育期間を通じてエピカテキンが多かった。葉の主要なカテキン類はカテキンであり、次に多いのはエピガロカテキンであった。カキ'西条'の葉では新鮮重あたりの可溶性総ポリフェノール含量が緑茶よりも多いことがわかった。しかし、緑茶の機能性の主要因である単量体カテキン類は、カキの場合、果実・葉とも少なく、可溶性総ポリフェノールに対してそれぞれ、0.1〜0.2%および1〜2%程度しか含まれなかった。緑茶に多く含まれ機能性が高いと言われるEGCGも微量しか検出されなかった,したがって、カキの高い機能性は単量体カテキン類が重合した高分子ポリフェノールによっている可能性が示唆された。今後単量体だけではなく、ポリマー、オリゴマーの組成および機能性も検討する必要があると考えられる。 本年度は、マウスではなく実際にヒトを使って、カキ'西条'果実の飲酒前摂取が悪酔い防止に効果があるかどうかを検討した。カキ果実200g摂取により、10名の被験者のうち、3名は飲酒による血中のアセトアルデヒド濃度をほとんど0近くに、エタノール濃度を半分程度に抑制し、別の3名はエタノール濃度を半分程度に抑制した。これらの結果は昨年度のマウスを用いた結果とほぼ同じ傾向であった。同じ被験者でリンゴ果実およびアンポ柿(干し柿より水分含量が高い)摂取時の血液も採取しているため、その効果も検討する予定である。
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