2002 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質ケイ酸カルシウム施用による水稲のカドミウム吸収抑制機構と効率的資材の開発
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13876015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三枝 正彦 東北大学, 大学院・農学研究科附属農場, 教授 (10005655)
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Keywords | カドミウム / 水稲 / 土壌汚染 / 多孔質ケイ酸カルシウム / シリカ |
Research Abstract |
水稲品種"こころまち"のポット栽培を行い、多孔質ケイ酸カルシウム水和物(ALC)の水稲Cd吸収抑制効果をシリカゲルおよび炭酸カルシウムとの比較で検討した。得られた結果は次の通りである。(1)ALCと炭酸カルシウムの大量施用(5-20ton/ha)は、Cd汚染黒ボク土および沖積土における水稲のCd吸収を顕著に抑制した。(2)このALC施用による水稲Cd吸収抑制効果は、同一施用量では炭酸カルシウムよりも高かった。(3)土壌の可給態Cdの評価公定法である0.1MHCl抽出Cdと水稲のCd吸収量の関係を調べたところ、黒ボク土では相関係数:R^2=0.482(茎葉)、R^2=0.512(玄米)と弱い関係が見られたが、沖積土では殆ど相関が見られなかった。(4)これに対して、土壌の1MNH_4OAcあるいは1M NH_4N0_3抽出Cdは、水稲茎葉Cdと沖積土ではR^2=0.501-0.557,黒ボク土ではR^2=0.746-0.806、水稲玄米Cdとは沖積土でR^2=0.401-0.442、黒ボク土でR^2=0.781-0.790といずれの土壌も相関関係が著しく改善された。(5)このことはこれまで公定法として用いられている0.1MHCl抽出Cdは水稲吸収Cd量の推定には問題があることを意味している。(6)さらに、多孔質ケイ酸カルシウムの水稲Cd吸収抑制効果は炭酸カルシウムのように単なるアルカリ効果では無いこと、従来用いられてきた炭酸カルシウムより水稲のCd吸収抑制効果がさらに高いことが明らかになった。
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