2001 Fiscal Year Annual Research Report
Streptomyces sp.YB-1株によるイッテルビウムのバイオ分離技術
Project/Area Number |
13876022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
河合 啓一 岐阜大学, 農学部, 教授 (00002064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 徹 岐阜大学, 農学部・遺伝子実験施設, 助教授 (20235972)
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Keywords | イッテルビウム / Streptomyces / 希土類集積能 / 希土類元素 / 放線菌 / バイオ分離技術 |
Research Abstract |
イッテルビウム高集積能を有する微生物として分離された放線菌Streptomyces sp.YB-1株の集積特性について検討した。イッテルビウム以外の16種類の希土類元素(30μM)に対する本菌株の集積能について1/100希釈肉汁液体培地を用いて調べたところ、すべての希土類元素を集積する能力を有していた。一方、希土類元素以外の金属元素(30μM)についてはほとんど集積能を示さなかった。この結果から、本菌株は希土類元素含有鉱物から各種の希土類元素の集積分離に使用可能であることが分かった。また、その他のStreptomyces属の放線菌5菌株についてイッテルビウム集積能を調べたところ、本菌株がもっとも高い集積能を有することが明らかとなった。しかしながら、本菌株は200μM程度のイッテルビウムにより強く阻害されることが判明、高濃度のイッテルビウム存在下では増殖を伴うイッテルビウム集積には適さないことがわかった。次に、集積されたイッテルビウムの細胞内分布を調べた。イッテルビウムを集積した菌体をリゾチーム処理し細胞壁を除去した後、低張液にてバーストさせ遠心分離した。得られた沈殿部を細胞膜画分とし、上清を細胞質画分とした。各画分中のイッテルビウム量を誘導結合プラズマ発光分析装置にて測定したところ、細胞膜画分に菌体に取り込まれたイッテルビウムの70〜80%程度存在していた。この細胞膜画分のリン脂質を抽出したところ、ほぼ全量のイッテルビウムがリン脂質抽出残渣部に存在していた。またこの細胞膜画分を用いてイッテルビウム吸脱着の繰り返し使用試験を行ったところ、少なくとも7回は吸脱着能の低下なしに繰り返し使用が可能であった。
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[Publications] K.Kawai et.al: "Ytterbium-accumulating Streptomyces sp.YB-1"Proceedings of the 4th International Conference on RE. 234-235 (2001)
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[Publications] 武藤秀治ら: "希土類元素と微生物の関わり"希土類. 38. 94-95 (2001)