2001 Fiscal Year Annual Research Report
針葉樹人工林の広葉樹林への誘導に適応した等高曲帯状画伐システムの適用試験
Project/Area Number |
13876037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今田 盛生 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (60038338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 晋 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (20038342)
村上 拓彦 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (20332843)
石田 茂二郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (80128462)
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Keywords | 針葉樹人工林 / 広葉樹林 / 森林誘導 / 等高線 / 帯状画伐システム / 保護樹帯 |
Research Abstract |
交付申請に述べたように、鹿児島県と宮崎県の県境に位置する霧島山系の中にある国有林のヒノキ人工林が、伐期に達しているにも関わらず高度が高い山頂付近に成立しているために成長が非常に悪く、その今後の管理が問題となっており、その解決策が求められていることがわかった。さらにその解決策として、天然林への誘導が最も適切なものであると理解されて、以前、営林署の研究的な施業として、通常の帯状間伐が行われていた。しかし、風衝地であるために残された林へのダメージが大きく、更新も十分に行われているとは言えず、一度間伐が実行された後はそのままになっていることが明らかとなったので、本研究の対象地を霧島山系のヒノキ林人工林とした。 この研究対象地域で画伐によって天然林への誘導を考えた場合、種子供給源の存在が鍵となる。そのために、まずは空中写真と精密衛星写真を利用して、対象となるヒノキ人工林と周辺天然林の分布状況を把握した。その結果、国有林ではこれまで天然林を伐採する際に保護樹帯を設定しており、この保護樹帯が天然林への誘導を可能にする種子源となる可能性が認められた。よって、対象林分の周辺に広がっている保護樹帯の状態を把握することを目的に現地調査を行った。 現在データの最終的な解析を行っている段階であるが、それよれば保護樹帯のなかには母樹となるべき大きな個体がかなり存在しており、その後継樹も確認された。しかし、ヒノキ人工林の林内には全く他の植生が認められず、現状では天然林への誘導は非常に困難であると考えられ、それには画伐等の施業の適用が不可欠である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 伊藤夏林, 今田盛生 他: "霧島山系におけるモミ・ツガ天然林の施業に関する研究"九州森林研究. (印刷中). (2002)
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[Publications] 吉田茂二郎, 今田盛生 他: "モミ・ツガ天然林の択伐後の林況変化とモミ・ツガ稚樹の動態"森林計画学会誌. (発表予定). (2002)