2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13876054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
村瀬 治比古 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20137243)
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Keywords | 光合成 / 最適化アルゴリズム / 遺伝的アルゴリズム / 光呼吸サイクル / オートマン |
Research Abstract |
これまで遺伝的アルゴリズムや免疫アルゴリズムなど生物系に由来する最適化アルゴリズムが開発されている.ここで生物の中でも植物系に着目すると光合成や代謝などの最適化プロセスが多く存在することに気付く.そこで本研究では光合成プロセスについて最適化アルゴリズムへの適応の可能性という極めて基礎的な部分から研究を開始し,さらに最適化アルゴリズムとしてのコード化まで発展させていく必要がある.遺伝的アルゴリズムや免疫アルゴリズムは生物一般あるいは動物に見られる最適化のプロセスを模倣することにより情報処理あるいは人工知能・人工生命の分野等で最適化アルゴリズムとして発展してきたがまだ多くの改良や修正など研究が継続している.そのような状況の中でこれまで試みられていない植物系に着目した最適化アルゴリズムについて研究を開始するということから萌芽的研究として申請する.本研究代表者(分担者なし)はカルマンフィルタを最適化手法としてニューロ学習に適用することを提案し「カルマンニューロコンピューティング」(1994年)を森北出版より発刊した.また,1997年に「遺伝的アルゴリズムの基礎と応用」を同じく森北出版から発刊するなど,最適化アルゴリズムが実際の最適化問題でどのように利用できるかについて検討してきた.その中で,有効性の高い最適化アルゴリズムが備えるべき特性などの基本的な事柄についての知見を得る機会があった.その観点から,植物系に着目すると光合成プロセスなどの生化学プロセスや他の植物繁殖のプロセスなど多くの最適化プロセスが高性能な最適化アルゴリズムとして記述可能であることが徐々に明らかとなってきた.2000年6月にオランダで開催された国際自動制御連盟のワークショップにおいて最適化手法への光合成プロセスの適用の可能性について議論され今後も研究を継続することで意見の一致を見た.遺伝的アルゴリズムや免疫アルゴリズムなど既存の最適化手法に匹敵する植物系由来の最適化手法を開発できる可能性が本研究を更に進めることでより明確になる. 本研究は光合成の暗反応部分にある炭酸ガス固定サイクルと光呼吸サイクルの割合を司る最適化プロセスを直接コード化するGA的アプローチとセルオートマトンのようなで非ノイマン型のモデルに取り込むアプローチの両面から光合成プロセスの最適化アルゴリズムとしての利用の可能性を明らかにし,さらに最適化アルゴリズムとしてコード化することを目的とするが今回は特にオートマトンの特性と光合成を主な機能とした植物の1器官である葉に着目してリーフ・セルオートマトンの開発を試み基本的なアルゴリズムの開発に成功した.
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Research Products
(1 results)