2002 Fiscal Year Annual Research Report
クローン化したウシ乳腺上皮細胞へのGH遺伝子導入によるカゼイン生成能促進
Project/Area Number |
13876060
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 和雄 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60091831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩野 顕彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80156249)
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Keywords | ウシ乳腺細胞 / GH / ATP / 脂肪酸 / カルシウムイオン / トリグリセリド / カゼイン / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
[本研究の目的] 1.ウシ乳腺腺房細胞を株化し、腺房細胞のGH刺激効果を検出するシステムを確立し、反応性を検討する。 2.腺房細胞における脂肪蓄積とGH受容体やカゼインなどの関連遺伝子発現に及ぼす脂肪酸の影響を検討する。 3.分泌作用機構に不可欠な細胞内情報伝達物質である細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]c)動態を測定する。 4.GH受容体やカゼイン遺伝子発現を刺激する脂肪酸の細胞内調節機構とその形質転換の可能性を検討する。 [結果] 1.GHおよび脂肪酸は、ウシ乳腺腺房細胞に対して、直接的な刺激効果を示した。 2.GH刺激はH^+ effluxを抑制したが、ATP刺激はeffluxを増加した。[Ca^<2+>]cの変化も、H^+ effluxと同様な変化であった。また、Lactogenic hormonesの処理は、GHおよびATP刺激反応を逆転させたGHやATP刺激時の[Ca^<2+>]c増加は、細胞外からのinfluxの増加によるものと推察された。 3.オクタン酸や長鎖脂肪酸刺激はTG蓄積とCD36 mRNA発現を濃度依存性に促進した。Leptin mRNA発現はdroplets形成と関係している可能性が考えられた。TG合成を刺激したオクタン酸や長鎖脂肪酸刺激は[Ca^<2+>]cを増加した。この増加は、細胞外からのinfluxの増加によるものではない可能性が示された。 4.長鎖脂肪酸刺激は、TG蓄積のみならず、CaseinやGH受容体mRNA発現をも刺激した。[Ca^<2+>]cや[cAMP]c動態がCasein合成に関与することが報告されている(Duncan and Burgoyne,1996;Clegg et al.,2001)ことから、今回用いた脂肪酸がどのような細胞内情報伝達系を介してTGやCasein合成を調節しているのか、これから解明して行かねばならない。
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Research Products
(1 results)