2001 Fiscal Year Annual Research Report
モノネガウイルスのM蛋白欠損による新型ウイルスワクチン/ベクターの開発
Project/Area Number |
13876071
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
甲斐 知恵子 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10167330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 竜一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00322074)
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Keywords | CDV / リバースジェネティクス / M欠損ウイルス / 次世代ワクチン |
Research Abstract |
本研究は、ウイルス粒子の形成・放出に関与するMタンパク質欠損型の次世代ワクチン開発に向けての基礎的解析を目的としている。我々はイヌジステンパーウイルス(CDV)全ゲノムcDNAクローンを用いて、リバースジェネティクス系の開発に成功しており、M遺伝子を欠損あるいは改変させたウイルスクローンを作出する事が可能となった。これを、CDV-M蛋白発現細胞株と共培養することによって、M遺伝子を欠損した組換えCDV(rCDV-dM)をレスキューし、ウイルスとして回収する事が可能である。rCDV-dMは、これまでの報告からウイルス粒子形成を行なわない、持続感染型の新しいウイルスベクターになる可能性が考えられる。 今年度は、まずM蛋白を特異的に認識するポリクロナール抗体を作製して欠損ウイルス作製のツールを整えた。その結果、M発現蛋白やCDV感染細胞と反応できる抗M特異抗体の作製に成功した。また、M発現細胞株の樹立も試みたが、持続的にM蛋白を発現すると障害性が強く細胞株を得る事は困難であった。そこで、M蛋白を任意の時期に発現できるCre/loxPシステムを導入して細胞株樹立を試みている。いくつかの候補細胞株でM蛋白の誘導発現を確認中である。 M欠損CDVクローンの構築はデザインが困難であり作製に時間を要しているが、完成次第レスキューを行いM欠損CDVを得る予定である。 同時にウイルス膜の裏打ちをするM蛋白の機能解析をrCDV-dMを用いて細胞内での増殖に関する機能や他のウイルス構成蛋白との相互作用やウイルス膜蛋白の細胞外表出に関わる役割、持続感染機構への関与などの分子機能解析を野外株と比較しながら行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Shiotani, M., et al.: "Molecular properties of the matrixprotein(M) gene of the lapinized rinderpest virus"J Vet Med Sci.. 63(7). 801-805 (2001)
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[Publications] Ohashi, K. et al.: "Seroepidemiological survey of distemper virus infection in the Caspian Sea and in Lake Baikal"Vet Microbiol.. 28:82(3). 203-210 (2001)
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[Publications] Ikeda, Y., et al.: "Seroprevalence of canine distemper virus in cats"Clin Diagn Lab Immunol.. 8(3). 641-644 (2001)
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[Publications] Ohashi K, et al.: "Properties of a new CDV isolate from a raccoon dog (Nyctereutes procyonoides viverrinus) in Japan"Vet Rec.. 3:148(5). 148-150 (2001)
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[Publications] Yoneda, M. et al.: "Rinderpest virus H protein : role in determining host range in rabbits"J. Gen. Virol.. (In press). (2002)