2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13876072
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
杉山 修一 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (00154500)
|
Keywords | 核DNA量 / ヌクレオタイプ効果 / 種内変異 / ペレニアルライグラス |
Research Abstract |
ペレニアルライグラス15品種間の核DNA量の変異が表現型形質に影響を与えているかどうかを検討した。材料として2倍体ペレニアルライグラス15品種を用いた。ペレニアルライグラス2倍体品種には飼料用と芝生用という用途の異なる品種が育成されており、両タイプは草型等の表現型形質が顕著に異なるのでヌクレオタイプ効果の検出には適するために本試験で用いた。発芽後3週間目の実生の葉から核DNAを抽出し、DAPIを用いて蛍光染色し、フローサイトメーターで核DNA量を測定した。表現型形質として種子重、表皮細胞サイズ、個葉の葉面積等を、ポット栽培した個体について測定した。得られた結果は以下の通りである。 (1)15品種の核DNA量は5.996pgから6.244gpまで変異し、統計的にも有意差が認められた。観察された品種のうち、29.3%は集団間の変異に、46.3%は集団内の変異に、24.4%は誤差変異に起因していた。 (2)試料型と芝生型の間にも統計的有意差が認められ、飼料型品種が芝生型品種に比べ平均して有意に高い核DNA量を示した。 (3)異なる蛍光色素PIを用いて、代表的6品種について核DNA量を測定し、DAPIとPIの蛍光色素の効果を比較したところ、両者にはr=0.883という高い正の相関関係が認められた。このことから、DAPIで測定された核DNA量の値は、品種固有の変異を表すものと考えられた。 (4)核DNA量と表現型形質の相関を調べたところ、種子重との間にr=0.551**、細胞サイズとの間にr=0.602**・葉面積との間にr=0.555*と正の相関関係が認められ、核DNA量が大きいと細胞や種子・葉などの器官のサイズも大型化する傾向が認められた。この結果は、種内であっても、核DNA量のヌクレオタイプ効果の存在を示唆するものであった。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Sugiyama S., Yamaguchi K., Yamada, T.: "Intraspecific phenotypic variation associated with nuclear DNA content in Lolium perenne L"Euphytica. (In press). (2002)