2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
宮崎 俊一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80010081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 全 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70322485)
淡路 健雄 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60297546)
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Keywords | 受精 / 哺乳類卵細胞 / 遺伝子発現 / 可視化解析 / Green Fluorescent Protein / ミトコンドリア |
Research Abstract |
受精・発生初期段階での情報伝達機構解明の技術基盤確立のため、現在困難である、哺乳類未受精卵での機能蛋白発現系の確立をめざし、本年度は、哺乳類未受精卵に注入、成熟過程において発現観察可能なmRNAの作成を試みた。 蛋白発現を確認するに当たり、哺乳類卵細胞は十分な量を得ることが困難なため、現状の生化学的手法は困難である。このため、比較的高感度に発現の検出が可能と考えられる、Green Fluorescent Protein(GFP)遺伝子からの蛋白発現つまりは蛍光の検出を指標に以下の実験を行った。 通常の方法で作成した、cappingしたRNA3'端に何も付加してない場合はその注入のみでは、発現の検出は困難であった。3'端にpoly A polymeraseによるpoly A付加反応を行い、200残基以上のpoly Aが付加されている場合、成熟卵でGFPの発現が検出可能となった。また、付加しているpoly Aが100残基前後の場合その発現は効率が悪かった。時間経過をみると、mRNA注入後3時間目より蛍光が検出され、注入後12時間で蛍光強度はプラトーに達し、観察した21時間目までこの蛍光はほぼ一定であった。より明るいEnhanced Yellow Fluorescent Protein(EYFP)5'端にミトコンドリア移行配列を付加し、ミトコンドリアに移行するかどうかを検討した。移行配列を持たないEYFPでは細胞中にほぼ均一に蛍光が認められたが、チトクロムCよりクローニングした22アミノ残基をもつミトコンドリア移行配列によりEYFPの蛍光は卵細胞中に点状の局在を示すようになった。この局在は、ミトコンドリア特異的色素であるmit-trackerと共存を示し、この移行配列が正常と変わらず機能していることが示された。また、このmRNAの注入は卵成熟過程ならびに受精能に対する影響は、認められなかった。 未成熟哺乳類卵で、卵成熟・受精能に影響なく蛋白を発現しうる実験系の確立ができた。次年度は、GFPを利用した各種プローブを卵細胞に導入し受精に関わる細胞内情報伝達系の機能解析と発現3'端構造を組み込んだvectorの開発を行う予定である。
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Research Products
(1 results)