2001 Fiscal Year Annual Research Report
「精巣と癌」のみに発現する新しい遺伝子産物の癌抗原としての役割と免疫療法への応用
Project/Area Number |
13877032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀧本 将人 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (30179585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛巻 暹 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (80091445)
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Keywords | D40 / ヒト原発癌 / 癌・精巣抗原 / 肺癌 |
Research Abstract |
D40遺伝子は正常組織の中では精巣に高発現している。また、これまで検討した全てのヒト培養癌細胞において発現している。 そこでヒト原発癌細胞においてもD40遺伝子が発現検討しているか否かを検討した。原発癌は癌患者の同意を得た上で、手術時に得た癌組織の一部を液体窒素にて急冷し、RNAの抽出分離精製まで-80度Cにて保存した。種々のヒト原発癌組織よりTotal RNAを抽出分離精製した。D40特異的primerを用いて、mRNAをReverse TranscriptionによりDNAに変換したあと、PCRを行うことにより、D40mRNAを検出した。検討した原発癌としては、肺癌46例、卵巣癌11例、膵癌11例、子宮頚癌8例、大腸癌8例、神経膠腫5例、胆管癌7例、胃癌4例、セミノーマ3例であった。 肺癌46例中19例(41%),卵巣癌11例中4例(36%)子宮頚癌8例中3例(38%)などの癌が高頻度にD40陽性率を示した。その他の癌でも膵癌27%、神経膠腫20%、大腸癌13%と頻度は低いながらD40の発現を確認することができた。このように、D40遺伝子は培養癌細胞のみならず、複数の原発癌においても実際に発現していることが明らかになった。胃癌、セミノーマ、胆管癌ではD40の発現を確認することができなかったが、これらの癌については症例が少ないこともあり、今後例数を増やして検討する必要があると考えられる。
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