2001 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法によるGS-Xポンプを指標とした化学物質の健康影響評価
Project/Area Number |
13877052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
秋丸 國廣 高知医科大学, 医学部, 助手 (50281184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 徹也 高知医科大学, 医学部, 助教授 (40095021)
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Keywords | GS-Xポンプ / MRP / バイオマーカー / 農薬 / 分子生物学 |
Research Abstract |
GS-Xポンプと呼ばれるMRP遺伝子ファミリー産物は、アレルギー性疾患や炎症との関連が示唆されている。化学物質によるアレルギー性疾患発症との関連性を研究するための基礎として、農薬類によるGS-Xポンプ活性への影響の検討を開始した。クロロフェノキシ酢酸化合物(2,4,5-T、2,4-D、4-CPA、MCPA、2,4-DB、CPMP)の、GS-Xポンプを高発現しているヒト白血病細胞株及びその親株に対する細胞毒性(24時間法での細胞障害テスト、及び3日間培養法による細胞増殖阻害テスト)を測定したところ、いずれの化合物も細胞毒性は低く、100μMでもほぼ100%の細胞に影響が見られなかった。また使用した細胞株間で毒性の程度に差が見られなかった。MRP遺伝子ファミリーのmRNAレベルでの発現状況をnonRIノーザンブロット法で検討したところ、両細胞はMRP1、MRP4、MRP5を発現していたが、MRP2及びMRP3の発現は極めて低かった。対象化合物で処理した後、遺伝子発現(MRP1、MRP2、MRP5)が変動するか検討したところ、顕著な増幅や抑制は見られなかった。本培養細胞実験系においては、対象化合物の代謝酵素群が欠損している可能性があり、さらに対象化合物を代謝活性化した場合での検討が必要であると考えられた。また、アレルギー疾患や炎症と関連がある好酸球様分化細胞を用いた系での検討も必要であると考えられた。以上に加えて、別の対象化合物(有機リン化合物、ピレスロイド化合物など)についても検討する予定である。
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