安静時心電図を用いた有機溶剤や鉛暴露による早期神経障害評価の試み

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13877061
• Research Category: Grant-in-Aid for Exploratory Research
• Research Institution: Nagoya City University
• Principal Investigator: 永谷 照男 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (40144018)
• Keywords: 有機溶剤 / 鉛 / 職業性暴露 / 神経障害 / 心電図 / 健康影響評価

Research Abstract

当初の研究計画にしたがって、トリクロロエチレン、スチレン、トルエン、鉛およびそれらを含む物質を原材料として扱う職場での労働安全衛生法に基づく「一般健康診断」データを収集し、今回の調査研究に必要と考えられる問診項目(性、年齢、体格、現病・既往歴、自覚的神経症状、生活習慣など)、血圧、心電図所見(心拍数、不整脈の有無、PR, QRS, QT, QTc時間など)などを得た。これに加えて、前記化学物質への暴露者では作業歴やそれぞれの物質への暴露指標として、有機溶剤暴露者では各々の代謝産物である総三塩化物、マンデル酸、馬尿酸の尿中濃度および鉛暴露者では血中鉛濃度を得た。これらのデータは労働安全衛生法に基づく有機溶剤作業者、鉛作業者に対する「特殊健康診断」によるものである。
当初の予定より数多くの事業所、作業者の健診データ(一般健康診断で5000名程度、特殊健康診断で1000名程度)が得られたため、現時点(2002年3月)でデータ入力作業を継続中です。また、「一般健康診断」と「特殊健康診断」データは別々に得られたため、各個人(ID番号による)における両データのマッチング作業も継続中です。このため、具体的な結果はまだ得られておりません。
次年度は、入力の終了およびデータ処理、さらに可能な範囲で同事業所、同一作業者での経時健診データを得て、全データの経時変化と暴露の関連性を同定する予定である。なお、女性は暴露作業者が予想以上に少数(全暴露者の10%未満)のため、以後の入力、データ処理は男性のみとすることとした。
データの収集や解析にあたっては健診機関の協力を得ながら、健診受診者のプライバシーに充分配慮し、個人を特定できる情報は何ら使用しておりません。