2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の活動能力と血清尿酸値の関連性についての研究
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13877066
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
吉田 英世 (財)東京都老人総合研究所, 疫学部門, 研究員 (00242735)
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Keywords | 血清尿酸素 / IADL / GDS / 縦断的研究 / 高齢者 |
Research Abstract |
はじめに本研究では、高齢者の生活機能(手段灼日常生活動作能力)や精神機能(抑うつ度)の縦断的変化と血清尿酸値との関係について検討した。対象と方法対象者は、秋田県南外村在住の65歳以上の高齢者で、1992年および1994年の総合的健康調査を両年ともに受診した者588名(男性239名、女性349名)である。調査分析項目は、血清尿酸値、手段的ADL : IADL(Instrumental Activities of Daily Living、老研式活動能力指標のうち5項目)および抑うつ尺度:GDS(Geriatric Depression Scale)である。分析は、男女別に、1992年の血清尿酸値は、各々の中央値(男性:5.0mg/dl、女性で:3.8mg/dl)で「高値」と「低値」に分け、一方で、1992年および1994年において、IADLは、5点満点が「自立」、4点以下を「非自立」、さらに、GDSでは、11点以上を「抑うつ症状あり」、10点以下を「抑うつ症状なし」に区分した。そして、男女別に1992年の血清尿酸値「高値群」と「低値群」ごとに、IADLおよびGDSの2年間の縦断的変化について解析した。統計学的検定には、McNemar検定を用いた。結果IADL「非自立」の2年間の変化は、男性では、尿酸「高値群」は、10,3%(1992年)→12.8%(1994年)(n. s.)、尿酸低値群では、6.8%→15.4%(P<0.05)、女性では、高値群は、20.7%→26.3%(n. s.)、低値群では、22.2%→29.9%(P<0.05)であり、尿酸低値群で男女ともに、2年後のIADL「非自立」が有意に増加していた。また、同様に、GDS「抑うつ症状あり」の2年間の変化は、男性では、高値群は、16.7%→22.6%(n. s.)、低値群では、17.0%→30.2%(P<0.05)、女性では、高値群は、26.8%→31.7%(n. s.)、低値群では、26.2%→40.9%(P<0.05)であり、尿酸低値群で男女ともに、2年後のGDS「抑うつ症状あり」が有意に増加していた。結論以上の結果から、高齢者において血清尿酸値が低い者では、将来的に生活機能や精神機能の低下が予測されるのではないかと示唆された。
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