2001 Fiscal Year Annual Research Report
スパイロメータ利用、体幹部定位放射線治療用呼吸モニター下放射線照射システムの開発
Project/Area Number |
13877145
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
西口 郁 北里大学, 医学部, 講師 (20198451)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 雅史 北里大学, 医学部, 助手 (30265623)
早川 和重 北里大学, 医学部, 教授 (70114189)
|
Keywords | 体幹部定位放射線治療 / 呼吸モニターシステム |
Research Abstract |
本年度は、患者の呼吸状態をモニターする装置を開発した。呼吸状態のモニターには胸囲や腹囲の変化や、胸壁腹壁の吸気時の圧変化を測定する方法、腹壁のベッドからの高さの変化を測定する方法が研究されているが、呼吸量を実測する方法が最も信頼性が高いと考えた。流速測定にはFleisch型流速計の他タービン型流速計があるが、精度が高く、回転慣性を生じないFleisch型流速計を採用した。流速をフクダ産業製スパイロアナライザーST95で積分し、吸気、呼気の換気量をパソコン上に表示する装置を開発した。呼吸波形の基線の乱れを補正するために、圧縮窒素で作動する三方活栓を作成し、ゼロ点を調整できるようにした。当初は吸気、呼気を一本のチューブを用いていたが、呼気中の二酸化炭素を再吸入するため、息苦しさを感じることがあり、チューブを短くすることで改善されたが、更に呼吸苦をなくすために、吸気用弁、呼気用弁を作成し、吸気、呼気を別のチューブから行うように改良した。しかし弁を採用したために気流抵抗が高くなり、弁の形状の改良が今後の課題となった。次に呼吸位相と標的移動の相関を知るために、患者に呼吸モニターシステムを装着し、CTで肺腫瘍の移動を計測した。自然呼気終末と自然吸気終末では標的(肺腫瘍)は平均約15mm移動する事が分かった。自然呼気終末と自然吸気終末に自発的に息どめをさせると、自然吸気終末の肺容積に比べ、自然呼気終末の肺容積にばらつきが少なく、自発的に息を止める場合は自然呼気終末が望ましいと考えた。自然呼気終末の標的移動を検討するために、気管分岐部、横隔膜直上レベルで5名のボランティアの肺をCTで1mm間隔で撮影し、肺血管影の位置を測定した。X、Y、Z方向ともに肺血管影の移動は1mm以下で、呼吸波形をモニターしながら、自然呼気終末で息どめを行うと極めて高い標的位置の再現性が得られることが分かった。現在、肺腫瘍患者の定位照射の臨床に応用中である。
|
Research Products
(1 results)