2001 Fiscal Year Annual Research Report
気分安定薬の作用機序に基づく躁うつ病感受性遺伝子群の研究
Project/Area Number |
13877148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
神庭 重信 山梨医科大学, 医学部, 教授 (50195187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 雅巳 山梨医科大学, 医学部, 講師 (80228808)
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Keywords | 精神薬理学 / 気分安定薬 / 細胞周期 |
Research Abstract |
本研究は精神疾患に関わる遺伝子研究を、中枢神経系に作用する薬剤の作用機序と結びつけ,未だ確実ではない精神疾患の病因と治療を確立することを目的としている。現在まで神経伝達物質と向精神薬との関係はたくさん論じられているが、2次メッセンジャー以降や直接細胞内に作用するものはあまり論じられていない。このためこういった作用点を解析するため神経系とはかけ離れるが、構造が単純でシグナル伝達系の解析がもっとも進んでいるな出芽酵母の系を発現解析系に選んだ。いくつかある細胞外からのストレスとその応答の中から、向精神薬とカルシウムの関係は古くから言われていることから、細胞外のカルシウム濃度上昇の際にMAPKやcalcineurinを介して細胞周期を制御する系に的をしぼった。また数ある向精神薬の中から、気分安定薬を主に解析を行った。結果はこういった薬剤は細胞増殖に影響を及ぼし、出芽酵母の遺伝学的な解析からカルシウム上昇の際と似た機序で作用することが示唆された。これからは、これらの系を介して細胞増殖に影響を与えているのかを生化学的な系と細胞周期の解析から明らかにする。また気分安定薬からさらにスクリーニングする薬剤を拡げる。その後出芽酵母だけでなく高等生物でこういつたシグナル伝達系のホモローダががどのような働きを持つのかを、神経系の細胞を使って明らかにしていく予定である.
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[Publications] 工藤耕太郎他: "ストレスと神経細胞死"医学のあゆみ. 197. 271-274 (2001)
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[Publications] Soma M et al.: "Mice lacking serum amyloid P component do not necessarily develop severe autoimmune disease"Biochem. Biophs. Res. Com.. 286. 200-205 (2001)
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[Publications] Ono Y et al.: "Dimensions of temperament as vulnerability factors in depression"Mol. Psychiatry. (In press).
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[Publications] 神庭重信: "こころの病理の構造 松本元、小野武年編、情と意の脳科学-人とは何か-"培風館. 25 (2002)