2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877153
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
西園 文 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (50198462)
|
Keywords | 神経性食欲不振症 / 過食症 / 診断基準 / 児童思春期 / 産後うつ病 |
Research Abstract |
1.女子中学生高校生を対象に、Eating Disorder Inventory-2:EDI-2(摂食障害質問紙第2版)、Child Depression Inventory : CDI(児童抑うつ尺度)による精神症状の把握と、健康診断時の身体計測を継続した。2年前に中学2年生、高校1年生だった学年の今年度のデータも得られたので、体重ややせ願望、抑うつ感の継時的変化および相互の関連性について検討した。EDI-2のやせ願望サブスケールについては、2年前の中2時の値と現在(高1)との間で0.503、2年前の高1時の値と現在(高3)との間で0.617の相関を示した。これまでの調査で、中学生では、BMIや抑うつ度とやせ願望が相関する傾向が強く、高校生では、BMIや抑うつ度にあまり関連しない流行的なやせ願望があることが示唆されたが、今回の結果でも、中2から高1への移行期間には、中学時にはやせ願望を持っていなかった対象へもやせ願望が広まっていることが示唆された。中2と高1で経過を追跡した224例の中で、13.8%が2年間に体重が減少していた。高1から高3の2年間の経過を追跡した276名については、35.5%が2年間で体重が減少していたが、このうち2年前に肥満傾向だったのは30%に過ぎず、過半数は肥満ではなかったのに体重が減少していた。高1時のBMIが22未満のもので、その後体重が増加するか減少するかは、高1時のEDI-2のやせ願望サブスケールの身体不満足度が予測因子となっていた。今後はこれらの結果を踏まえ、ハイリスク群に適切な予防教育をしていくことが必要だと思われた。 2.産後のうつ病と摂食障害の合併例について、児の体重、身長を定期的に測定した。親に摂食問題がある場合、育児行動にも影響があり、児の体重のみならず、身長の伸びも停滞する場合があることを確認した。
|
Research Products
(2 results)