2001 Fiscal Year Annual Research Report
Smad3を分子標的とした肝硬変に対する遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
13877197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
大和田 進 群馬大学, 医学部, 助教授 (30223986)
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Keywords | 肝硬変 / Smad3 / 遺伝子治療 / アンチセンス / アデノウィルスベクター / オリゴヌクレオチド |
Research Abstract |
1.Smad3蛋白の翻訳を抑制するantisense RNAを発現するadenovirus vectorの構築 対象と方法 shuttle vector法を用いて,ヒトSmad3遺伝子に対するantisenseを発現するadenovirus vectorを構築した.ヒト肝癌細胞株HepG2およびラット正常肝細胞株clone9にこのadenovirus vectorをもちいてantisense配列を発現させ,Northern blot法でSmad3遺伝子の発現を検討した. 結果 in vitroでは,ヒトおよびラット細胞株でSmad3 RNAの発現が抑制された. 2.Smad3抑制による肝線維化モデルにおける線維化の抑制効果の検討 対象と方法 Sprague-Dawlay(SD) ratのDimethylnitrosamine(DMN)腹腔内投与による肝線維化モデルを用いた.10週齢の雄SD-ratに,DMN(10ug/gBW)を3週間(3日投与・4日休薬/週)投与し,肝障害を生じさせた.adenovirus vectorを尾静脈内から投与し,DMNをさらに3週間腹腔内投与した後,ratを犠牲死させて肝臓を採取した.Northern blot法でSmad3遺伝子の発現を検討した. 結果 in vivoでは,Smad3 RNAの発現抑制が見られなかった.高doseでは,adenovirusの病原性が問題となった. そこで,現在,Smad3蛋白の翻訳を抑制するantisense oligonucleotideを作製し,ヒト肝癌細胞株HepG2およびラット正常肝細胞株clone9にliposome法で導入,Northern blot法でSmad3遺伝子の発現を検討している.有効なantisense oligonucleotide配列が決定し,in vivoでの効果を検討する予定である.
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