2001 Fiscal Year Annual Research Report
アロ抗原の存続とAICDの有無による移植免疫寛容の臨床診断法確立への予備的研究
Project/Area Number |
13877215
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白倉 良太 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00116047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊田 悟 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90311753)
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Keywords | 拒絶反応 / マウス / 免疫寛容 / トレランスアッセイ / キメリズム |
Research Abstract |
GFP陽性B6(同系)、脾細胞投与による免疫寛容が得られる(B6xbm1)F1(class I MHC-mismatch),免疫寛容が得られない(B6xB10. QBR)F1(class I MHC-mismatch)と(B6xbm12)F1(class II MHC-mismatch)脾細胞を、各々5x10^7個B6マウスに静脈内投与し、経時的に宿主脾臓内のGFP陽性細胞数と細胞種を検討した。脾内のGFP陽性細胞は何れの場合にも8週まで検出され、その後検出感度以下となった。4週後の比率は各々1.63+/-0.55,1.69+/-1.39,1.36+/-0.50,0.85+/-0.50%であった。bm12脾細胞の生存率が低いのは、B細胞が選択的に除去されるためであったが、同じく免疫寛容が誘導されない(B6xB10. QBR)F1脾細胞投与の場合には、免疫寛容が誘導される(B6Xbm1)F1脾細胞やB6脾細胞投与の場合と同じく、B, T両細胞が検出された。対応する脾細胞投与後に皮膚移植を行ったところ、bm1移殖片は8週以上生着したのに対して、(B6xB10. QBR)F1とbm12移殖片は全例2週以内に拒絶された。この(B6xB10. QBR)F1拒絶例で、脾細胞投与4週後のGFP陽性細胞を検討したところ、移植片が拒絶されたにもかかわらず、1.74+/-0.91%のドナー脾細胞を認めた。以上から、リンパ系キメリズムは免疫寛容と相関する場合もあるが、単独では免疫寛容の指標となり得ないことが示唆された。 そこで、(b6xbm1)F1脾細胞移入後のリンパ節と脾内でのFasligand, TRANCE, B7.1, B7.2, CTLA-4遺伝子発現を定量的に検討したが、免疫寛容を説明し得る結果は得られなかった。免疫寛容の診断法開発には、さらなる免疫寛容機構の解明が必要である事が示唆された。
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[Publications] T.Ueno, S.Sawa, S.Kitagawa-Sakakida, M.Nishimura, R.Shirakura, et al.: "Nuclear factor-kB decoy attenuates neuronal damage after global brain ischemia : A future strategy for brain protection during circulatory arrest"The Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery. 122・4. 720-727 (2001)
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[Publications] 榊田 悟, 堀口 敬, 李 湛卓, 白倉 良太: "心臓移植後の慢性拒絶反応"The Circulation Frontier. 5・2. 20-26 (2001)
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[Publications] K.Horiguchi, S.Kitagawa-Sakakida, Y.Sawa, Z.Li.et al.: "Selective chemokine and receptor gene expressions in allografts developing transplant vasculopathv"Journal of Heart and Lung Transplantation. (印刷中).