2001 Fiscal Year Annual Research Report
重症呼吸不全に対する人工酸素運搬体を用いた腹膜換気の有効性
Project/Area Number |
13877216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
増田 宏 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (10253866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 芳一 鹿児島大学, 医学部, 講師 (00253865)
渡辺 俊一 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (90264415)
上村 亮三 鹿児島大学, 医学部, 助手 (30253884)
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Keywords | 腹膜換気 / 人工酸素運搬体 / 呼吸不全 |
Research Abstract |
本研究のテーマ"腹膜換気"では拡散によってガス交換が行われるので灌流液と腹膜の毛細管血との酸素濃度較差が大きいほどガス交換効率は上がる。今回の予備実験では腹腔内灌流液の酸素濃度を高値に保つために安定した高流量灌流法の開発を目標とした。 対象のウサギの循環血液量は約130mlしかなく、また灌流による体温喪失も看過できないため、灌流液の酸素加装置には熱交換機を備えた小児用膜型肺を用いた(総充填液量70ml)。次に流入ラインの検討を行ったが、その挿入部位、数は灌流量に全く影響しなかった。しかし、流出ラインの影響は極めて大きく、単純に上腹部にチューブを留置しただけでは全く回収できなかった。腹腔内に乳酸リンゲル液を予め貯めておくと灌流を数分間維持できたが、直ぐに大網でチューブの孔が塞がり中断された。この大網の影響を避けるため先端バルーン付きチューブを横隔膜下に留置した。そのままでは流出は得られなかったが、予め腹腔内に乳酸リンゲル液を貯留させておくと流出は改善し、全例(3頭)で100〜200ml/minの流量が得られ、2頭ではこの流量を2時間維持できた。しかし本実験では3〜4時間の観察を計画しているため、更なる改良が必要と考えている。 灌流実験終了後、生理食塩水による気道洗浄あるいはオレイン酸静注を行い肺障害モデル作製法の再現性を検討している。
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