2002 Fiscal Year Annual Research Report
悪性神経膠腫由来の浸潤細胞障害性T細胞が認識する脳腫瘍特異的抗原ペプチドの同定
Project/Area Number |
13877222
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山下 純宏 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90026948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中条 達也 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (00303298)
立花 修 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (40211362)
中尾 眞二 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70217660)
岡本 禎一 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (40324074)
藤沢 弘範 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40283113)
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Keywords | 脳腫瘍 / 樹状細胞 / 免疫治療 / 細胞障害性Tリンパ球 / 頚部リンパ節 |
Research Abstract |
1)腫瘍浸潤リンパ球が認識する脳腫瘍特異的抗原ペプチドの同定 T細胞をもちいたcDNA発現クローニング法(Rong-Fu Wang et al, 1998, Cancer Research)を試みたが、脳腫瘍浸潤リンパ球は少なく回収が困難であったためcell line化に至らず、脳腫瘍浸潤リンパ球が認識する脳腫瘍特異的抗原の同定・単離は不可能であった。 2)樹状細胞ワクチン治療の臨床応用 再発悪性脳腫瘍患者10症例に対し、最も強力な抗原提示細胞である樹状細胞に腫瘍抗原を認識させ細胞性免疫反応を誘導する免疫治療(樹状細胞ワクチン治療)を行った。樹状細胞ワクチン治療を施行の際の^<51>Cr放出細胞障害性試験では、腫瘍細胞で感作された樹状細胞により刺激された患者Tリンパ球は、培養腫瘍細胞に対し、著明な殺腫瘍効果を示した。手術時に得られた標本の免疫組織化学検討にて、樹状細胞を用いた免疫治療前および治療後における腫瘍内浸潤CD8陽性Tリンパ球数は、樹状細胞治療後は治療前に比べ約30倍に増加していた。しかし、脳の局所リンパ節と考えられる頚部リンパ節においては、CD8陽性Tリンパ球数の変化は一定の傾向を示さず、腫瘍抗原の感作が不十分な場合があると考えられた。アレルギー、自己免疫疾患等の副作用は認めず、本治療の安全性が確認された。樹状細胞ワクチン治療を行った患者7例の平均生存期間は499日であり、金沢大学におけるコントロール群の410日と比べ長い傾向を示した。(第60回日本脳神経外科総会にて発表)
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Fujisawa H, Tachibana O, Yamashita J, et al.: "Genetic differences between neurocytoma and dysembryoplastic neuroepithlial tumor and oligodendroglial tumors"J Neurosurgery. 97. 1350-1355 (2002)
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[Publications] Hayashi Y, Iwato M, Hasegawa M, Tachibana O, Yamashita J: "Malignant transformation of a gangliocytoma/ganglioglioma into a glioblastoma multiforme : a molecular genetic analysis. Case report"J Neurosurgery. 95. 138-142 (2001)
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[Publications] 岡本禎一, 立花 修, 藤沢弘範, 山下純宏, 中条達也, 中尾真二: "悪性脳腫瘍に対する樹状細胞を用いた免疫療法"新潟医学会雑誌. 115. 616-617 (2001)
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[Publications] 東馬康郎, 山下純宏: "新しい治療法の展開:化学療法"Clinical Neuroscience. 19. 350-351 (2001)