2001 Fiscal Year Annual Research Report
内軟骨性骨化における軟骨吸収のメカニズムの解明:破軟骨細胞についての研究
Project/Area Number |
13877236
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
荻野 利彦 山形大学, 医学部, 教授 (60109436)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 寛 山形大学, 医学部, 助手 (40292437)
高木 理彰 山形大学, 附属病院, 助教授 (40241707)
高原 政利 山形大学, 医学部, 助手 (10236341)
|
Keywords | matrix metalloproteinase-9(MMP-9) / tartrate-resistant acid phosphatase(TRAP) / apoptosis / cartilage / ossification |
Research Abstract |
内軟骨性骨化における軟骨吸収と血管侵入に関与する細胞の特徴を明らかにすることを目的とした。野性型マウスを用い、胎仔期の一次骨化(胎齢14日から16日の大腿骨)、生後の二次骨化(大腿骨遠位骨端)、成長帯での内軟骨性骨化(大腿骨遠位骨端軟骨板)、および骨折治癒における内軟骨性骨化を組織学的に分析した。1)サフラニンO染色、2)TRAP染色、および3)in situ hybridization(MMPs-9)を施行した。1)サフラニンO染色をみると、胎齢14日では軟骨内に血管や細胞の侵入はみられなかった。胎齢15日には軟骨原基中央に血管と細胞の侵入がみられた。2)TRAPの活性をみると、胎齢15日では、軟骨内に侵入した細胞の一部にTRAP活性を認めた。3)MMP-9の発現をみると、軟骨内に侵入した細胞の多くにMMP-9の発現を認めた。MMP-9陽性細胞は軟骨吸収面(骨・軟骨境界部)に存在した。4)TUNELでは、軟骨内にはTUNEL陽性の軟骨細胞はなく、骨髄腔内に陽性細胞が散在していた。一次骨化においてもMMP-9が軟骨吸収と血管侵入に重要な役割を演じていることが示唆された。 MMP-9陽性細胞はTRAP陽性細胞に先んじて軟骨内に侵入していた。MMP-9が一次骨化での軟骨吸収に関与する細胞の早期のマーカーであると考える。また、MMP-9陽性細胞の侵入前にはTUNEL陽性細胞はなく、骨髄腔にTUNEL陽性細胞がみられたことから、MMP-9による軟骨吸収が軟骨細胞のアポトーシスを制御していると考えた。
|