2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
笠井 久隆 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 教授 (80087163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜本 洋子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教授 (40315700)
斎藤 宏 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 教授 (20073075)
伊藤 尚 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70082815)
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Keywords | 骨形成 / 脱灰 / コラーゲン / 酸性タンパク質 / コラゲナーゼ処理 / 骨粗しょう症 / HPLC / ゲルろ過 |
Research Abstract |
牛大腿骨を10%酢酸で脱灰して得られた抽出液を用いて、異なるアプローチの仕方により新規タンパク質を以下の通りに探索した。1)貝殻の研究から得られた知見をもとに、骨脱灰抽出液を用いて酸性条件下(pH2.2)でイオン交換HPLCを行った。カラムに吸着された画分は、同条件下のHPLCではカラムに保持されることのないI型コラーゲンを含んでいた。再クロマトグラフィーを行い再度I型コラーゲンと分離した吸着画分のアミノ酸配列分析結果ではI型コラーゲンに特徴的なアミノ酸に加え、N末端側から4残基目までアスパラギン酸またはクルタミン酸が検出されたことから、強酸性タンパク質の存在が示唆された。また、吸着画分を酸性条件下(pH2.2)でゲルろ過により精製した結果、アスパラギン酸(11%)、グルタミン酸(22%)に富む酸性タンパク質(10k-protein)を分離した。 2)酸性条件下でのイオン交換HPLCにおいてカラムに保侍されず素通りした画分を細菌性コラゲナーゼにより処理してI型コラーゲンを断片化し、逆相HPLC、イオン交換HPLCおよびゲルろ過を組み合わせて精製した。この結果、グルタミン酸が全アミノ酸の約80%を占める強酸性タンパク質を検出した。 これまでに骨中に見出した2種の酸性タンパク質のうち、特にグルタミン酸に富むタンパク質は、10k-proteinと比較して骨中の含有量が高く(換算値;約10倍)、I型コラーゲンに対する親和性も高いと予想される。また、コラゲナーセ処理の導入は、細菌性コラゲナーセの活性がEDTAにより阻害されることから、酢酸を用いた脱灰法との組み合わせに適した有効な精製手段と考えられる。
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Research Products
(1 results)