2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胎児骨を用いたヒト前立腺癌骨転移モデルの作成と応用
Project/Area Number |
13877263
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
内田 克紀 国際医療福祉大学, 保健学部, 教授 (20223555)
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Keywords | 前立腺癌 / 骨転移 / LNCap / PC-3 / TSU-P1 |
Research Abstract |
2001年度に引き続きヒト胎児組織(骨)を用いてヒト前立腺癌骨転移モデルの作成を試みた。[材料]ヒト前立腺癌細胞株:LNCaP(リンパ節転移由来)、PC-3(骨転移由来)、TSU-P1(腹膜転移由来) 動物:4-6週齢の雄性SCIDマウス ヒト胎児組織:十分なインフォームトコンセントの後に得られた16〜20週の男性胎児の臓器(骨)。[方法]胎児骨を雄性SCIDマウス背部皮下に移植後以下の実験を行った。1)Circulating cell colonization assay:移植4週後ヒト前立腺癌細胞(1x10^6)をマウス尾静脈から注入。注入6週後、マウスの臓器(肺・肝・骨・腎)および移植したヒト胎児骨における腫瘍コロニーの有無、数、容積、組織像を観察した。2)End organ growth assay:移植4週後ヒト前立腺癌細胞(1x10^4)を直接胎児骨に注入。注入6週後、移植した臓器およびマウスの臓器における腫瘍コロニーの有無、数、容積、組織像を観察した。[結果]リンパ節および腹膜転移巣由来の細胞株(LNCap、TSU-P1)ではいずれのassayにおいてもマウス脊椎骨、ヒト胎児骨ともに転移巣を認めなかった。一方、骨転移巣由来の細胞株(PC-3)ではcirculating cell colonization assayでは、マウス脊椎骨には転移巣を認めなかった(0/15)が移植したヒト胎児骨に転移巣を認めた(5/15)。また、End organ growth assayでは、移植骨への腫瘍生着は極めて良好であった(19/19)。胎児骨の転移巣はX線上は溶骨像を呈し、組織学的には腫瘍のコロニーは骨に接しており著明な骨破壊、骨溶解像を伴っていた。コロニー形成細胞はサイトケラチン陽性で上皮(PC-3)由来細胞と判定された。肺に認められた腫瘍コロニーはいずれも微小で浸潤所見はなく腫瘍塞栓がゆっくり増殖したものと思われた。以上の結果から、骨転移巣由来の前立腺癌細胞株とヒト骨とは親和性が強いことが示唆され、ヒト胎児骨を用いたヒト前立腺癌骨転移モデルの可能性が示唆される。
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