2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877288
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本田 孔士 京都大学, 医学研究科, 教授 (90026930)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 弘一 京都大学, 医学研究科, 助手 (90303841)
桐生 純一 京都大学, 医学研究科, 講師 (80281096)
|
Keywords | 血小板 / 白血球 / アクリジンオレンジ / 走査型レーザー検眼鏡 / ローリング / P-selection / ICAM-1 |
Research Abstract |
炎症時に白血球が血管内皮上をローリングし、そして接着する際に血小板が重要な役割を果たしていることがin vitroの実験では報告されている。生体下において、血小板抑制時の炎症状態における白血球・血管内皮の相互作用を観察し考察をおこなった。ラット血小板を採取してウサギに免役し、ウサギの血清を1週間後に採取することによってウサギ抗ラット血小板ポリクローナル抗体を得る。Long-Evansラットに網膜虚血作成1時間前に抗血小板抗体を静注する。その後視神経鞘を結紮し1時間後に再灌流した。Acridine Orange Digital Fluorographyにて再潅流後4、12、24時間後に眼底をアルゴンレーザーを励起光とした走査型レーザー検眼鏡にて観察した。また再灌流12、24時間後の網漠における接着分子の発現をRT-PCRにて検討し、再灌流2週間後に組織学的検討を加えた。抗血小板抗体により白血球数が変化することなく血小板は有意に抑制された(<90%,p<0.0001)。再潅流後の網膜主要静脈の拡張は、白血球のローリング数の最大値は1%以下に抑制され、網膜への蓄積も有意に抑制された。しかし網模におけるP-selectin、ICAM-1の発現には有意差を,認めなかった。組織学的検討では、血小板を抑制することにより網膜の萎縮および網膜内顆粒層の細胞数減少が有意に抑制されていた。虚血再灌流後の血管内皮上での白血球のローリングにおいて、血小板は仲介的な役割を果たしていると考えられた。血小板抑制により組織障害が軽減したのは、白血球の網膜への集積が抑制されることがひとつの原因であると考えられた。
|
Research Products
(1 results)